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ペイフォワード 固いみぞおちを緩めて、中「心」のこわばりをとる

Glass Story

縦棒  みぞおちの緊張

ストレスが溜まって、イライラしたり、うつ症状のような日々が続くときは、みぞおちを押してみましょう。

みぞおちに、コリのような固さや筋の突っぱったような痛みがあると思います。

整体の世界では、全身の緊張が中心のみぞおちに集まり、その固いみぞおちによってイライラやうつといった精神的な症状を引き起こすと考えられています。

頭だろうと背骨だろうと、身体のどこかが緊張したとき、必ずみぞおちが堅くなります。

『骨盤にきく―気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門』片山洋次郎著

それでは、一体なぜ「みぞおち」に集まってきた緊張と精神的な症状が関連してくるのでしょうか。

 

こんな ‘ 連鎖 ’ を想像してみると分かりやすいかもしれません。

不安や緊張感のある環境に身を置いていると、右手をぎゅっと握りしめたり、歯を食いしばったり、息をのんだり、肩をこわばらせる、といったことが無意識の習慣となります。

こうした習慣による過緊張は全身の筋肉のハリやコリに変わっていきます。

そして、この体の隅々で生じた緊張が、体のちょうど中心である「みぞおち」に集まってくるのです。

緊張が集まってくることによってできた「みぞおち」のこわばりは、呼吸しようとするときに動く横隔膜の広がりをさまたげ、深い呼吸を疎外します。

試しに、その場で深呼吸をしてみて下さい。

固いみぞおちや胸の周辺が引っかかって邪魔をするような感覚が実感できると思います。

浅い呼吸は、余計に緊張のしやすい状態を生み、その緊張がさらに積み重なるようにしてみぞおちに集まってくる、という悪循環にはまりこんでしまいます。

このようにして行き場を失った緊張の連鎖によって、次第に不安神経症やうつ症状、過呼吸、胃痛、パニック障害といった心身症、自律神経失調症に繋がっていくのです。

 

 

ヨガの世界には、「意地悪なひとはみぞおちが固い」という言葉があります。

積もり積もった緊張(ストレス)が、みぞおちに集まり、その胸の辺りの緊張を吐きだすために「意地悪」を言う。

思いっきり意地悪や愚痴を外に向かって吐きだすと、硬い胸やみぞおちの辺りのもやもやが、〈スッキリ〉とし、緊張のほぐれたような感じがすると思います

あるいは、その症状に見合った表現が日本語にあるのをご存知でしょうか。

たとえば、「むかつく」「胸のわだかまりがとける」「溜飲が下がる」などと言いますね。またみぞおちというのは、ちょうど「巨闕(こけつ)」と呼ばれるイライラや内臓の疲労を抑えるツボでもあります。

だから、もしみぞおちが固いようなら、それは体からの「緊張のシグナル=悲鳴」なのです。

 

 

縦棒  みぞおち体操

そこで、固いみぞおちのこわばりを緩め、深い呼吸をできるようにする方法として、簡単なストレッチ(セルフマッサージ)を紹介したいと思います。

まず、イラストのように両手の甲を合わせるようにして、みぞおちの下に指先を当てます。

そして、口をすぼめ、細長く息を吐きだすようにして、じんわりと指が奥に入っていくのを感じながら、ゆっくりと前屈をしていきます。

その後、そうっと力を抜きながら、指先を放していきましょう。

筋肉のこわばりは、指圧マッサージをしたり伸ばしたりといった一時的に与える「緊張」によってではなく、その緊張のあとの「緩和」でゆるんでいきます。

 

みぞおち 2

画像  呼吸が浅くなってない?浅い呼吸は不調の元|nikkei WOMAN

 

このみぞおちのストレッチを何度か繰り返したあとに、もう一度、深く腹式呼吸をしてみて下さい。

先ほどよりも胸が柔らかく広がって、空気が深く取り込めるようになっていることが実感できるのではないでしょうか。

 

 

縦棒  閉塞感と終着駅

先行き不透明な未来に対する不安や、仕事先の人間関係、またパソコンやスマホの光、食品添加物など、現代社会は、心身を刺激する「ストレス」で溢れ返っています。

その世界にすっかり囲まれた「内なる自然」の体は、常に固い、こわばった状態で、徐々に柔軟性、余裕が失われていきます。

こうした環境そのものに、今の閉塞感や息苦しさを引き起こす〈負の連鎖〉の原因の一端があるのです。

 

さて、さきほどのイメージを、もう少しだけ広げて考えてみましょう。

たとえば、職場やクラスメイトの誰かが、自分のみぞおちの硬さや息苦しさを〈スッキリ〉と発散させるためにあなたに「意地悪」を言う。

意地悪を言われたあなたは、知らず知らずのうちに、右手をぎゅっと握りしめたり、歯を食いしばったり、息をのんだり、肩をこわばらせている。

その緊張は、全身に張りめぐらされた筋肉や神経をたどって、あなたの中心である「みぞおち」に集まってきます。

こうした日々の慢性的な緊張によってみぞおちは固まり、胸が縮こまり、浅くなった呼吸が、さらなる息苦しさに繋がっていく。

そして、その鬱憤を〈スッキリ〉と吐きだすために、今度はあなた自身が、後輩や恋人、家族、ツイッターといった身近なはけ口に「意地悪」を吐きつけることになる。

あるいは、その言葉を、ぐっと飲み込み、溜め込み、押し殺せば、いずれは体や心が悲鳴を上げることになるでしょう。

 

ことばが沈黙するとき、からだが語り始める。

ルートヴィヒ・ビンスワンガー

 

要するに、「こわばり」は連鎖していき、この世界の誰かが「終着駅」になっているのです。

 

 

縦棒  息しやすい世界へ

だからこそ、つい誰かのせいにしてしまいそうなときには、ほんの少しだけ勇気を出して、意識的に、心身のこわばりに目を向け、わだかまりを優しく解きほぐしてあげましょう。

自分自身を、いたわってあげること。

そうして自分自身に向けた優しさや気づかい、みぞおちや全身の緩みが、「意地悪」ではなく、今度はあなたの温かな言葉や態度となって、誰かの「心」に向けて連鎖していくでしょう。

大袈裟ではなく、この世界も、そんな風に、ちょっとずつ生きやすい(息のしやすい)ものになっていくのではないでしょうか。

 

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2014-06-15 | Posted in からだと自然