依存症の予防法とおしゃぶり − 不安や孤独と向き合う、おすすめの対処法 | コップのお話 〜体と心と自然の物語〜
 

こころ

依存症の予防法とおしゃぶり − 不安や孤独と向き合う、おすすめの対処法

 
Glass Story

縦棒  依存症とおしゃぶり

依存症というのは、「おしゃぶり」のことです。

僕たちは、幼い頃、何かしらの欠落感を感じたとき、その不安に声を上げて泣きじゃくり、母親から「おしゃぶり」を与えられることで落ち着きました。

この無意識の心理メカニズムには、大人になっても本質的な変化はありません。空虚な穴が心象に浮かび、吸い込まれるように不安感や孤独に襲われる。

その穴を埋めるために、かつて「おしゃぶり」を求めた僕たちは、煙草や恋人、酒やぬいぐるみ、宗教などに依存していく。

確かに、依存自体を避けるのは難しいことかもしれません。

だから、せめて害悪を与えたり禍根を残すような厄介な対象物の依存症にならないように、あらかじめ予防策を講じる必要があります。

そこで、この依存症の餌となる「不安」と「孤独」という二つの観点から、おすすめしたい予防法、対処法を紹介したいと思います。

すでに「依存症」で苦しんでいる方にも当てはまる内容なので、ぜひ参考にしてみて下さい。


PR


 

 

縦棒  対処法1、不安と依存症

第一に、「不安」について取り上げたいと思います。

慢性的に不安感に襲われるようなときというのは、「自分」が肥大化している、と言い換えることができるでしょう。

肥大化した自分とは、すなわち、「頭」で考えるということが先行した状態のことを言います。

そのため、この不安を解消しようとして「頭」で考えれば考えるほど、雪だるま式に「自分」は大きくなり、重く心にのしかかってくる、という悪循環に陥っていく。

だから、反対に、その肥大化した「自分」を静めて、溶かしてあげる必要があるのです。

こうした「自分」の肥大化に対する一つの対処法として、僕は〈瞑想〉をおすすめします。

瞑想と言っても、難しく考える必要はありません。

まず、環境を整えます。

微細なレベルの「騒音」が五感に影響を与えるので、可能なかぎり部屋を片づけ、電化製品のプラグを抜き、すっきりとした空間をつくります(外の音は仕方がないので諦めましょう)。

静かな環境が整ったら、座禅をして、目を閉じる。

下腹部に軽く意識を置いて力を入れると、みぞおちがゆるみます。みぞおちがゆるむことで胸郭が柔軟性を帯び、呼吸が深くなっていきます。

瞑想をしてすぐは、ぐるぐると思考が巡るかもしれません。脳内を、考えごとが乱反射するように暴れるかもしれません。

でも、無理に抑え込もうとしない。いったんは暴れるままにしておく。

そのまま、10分ほど続けてみて下さい。

次第に思考の暴れ馬は落ち着き、膨れ上がった「自分」が、意識の奥深くに消失していくでしょう。

 

 

縦棒  対処法2、依存症と孤独

次に、「孤独」についてはどうでしょうか。

孤独にさいなまれるときというのは、先ほどとは反対に、「自分」と出会えない状態が原因にある、と言えるでしょう。

普通に考えると、「誰とも出会えないとき」、だと思うかもしれません。でも、それは違います。

まずは「自分」と出会えないから、孤高ではなく、孤独に陥るのです。

こうした孤独の辛さに耐えられない状態にあるときの対処法として、僕は〈創作〉をおすすめします。

音楽でも、陶芸でも、折り紙でも、書でも、縫ったり貼ったりでも、なんでも構いません。

もし、自分がまだ創作の手段を持っていないのなら、興味があるものにどんどんトライしてみて下さい。

未熟でも素人作業でもいいので、まずは創作の手段を手に入ることが、孤独との向き合い方にとって大切なことなのです。

なぜ、創作が、孤独と関係があるのでしょうか。

何かを作るという行為は、その創作物を通して「誰か(たとえば読者)」と出会えるだけでなく、はぐれてしまった「自分」と出会える作用があります。

作家の村上春樹さんは、「書くこと」について、次のように語っています。

僕はおおむねのところ、自分が「気持ちよくなる」ことだけを意識して小説を書きました。

自分の中に存在するいくつかのイメージを、自分にぴったりくる、腑に落ちる言葉を使って、そのような言葉をうまく組み合わせて文章のかたちにしていこう……頭にはあるのはそれだけです。

『職業としての小説家』村上春樹著

創造することは、日々何かで埋めたいと希求する空虚な穴に、ぴったりとはまる「言葉」を探し、「気持ちよくなる」営みなのです。

まるで僕たちが子供の頃に「おしゃぶり」を求めたように。

そして、創作によって「気持ちよくなる」ことができたとき、もう一人の「自分」と出会うことができるのです。

だからこそ、ぜひ、未熟であっても構いません、手段や技術を身につけていって下さい。

 

 

縦棒  依存との共存

以上、紹介した〈瞑想〉と〈創作〉という二つの対処法は、すぐに効くような治療法と言うよりも、依存症予防であると同時に、不安や孤独と末永く向き合っていくための方法でもあります。

不安や孤独は、完全に取り除くことはできません。また、取り除いたら、たぶん生きてはいけないでしょう。

しかし、だからと言って、その都度〈何か〉で埋め合わせをしていては、冒頭に書いたようにアルコールや恋愛中毒など、厄介な依存症に陥る危険性があります。

依存症予防に大切なことは、そのような「自分」と上手に共存し、付き合っていくこと、向き合う方法であると言えるでしょう。

 

始めよう。瞑想:15分でできるココロとアタマのストレッチ (光文社知恵の森文庫)

始めよう。瞑想:15分でできるココロとアタマのストレッチ / 宝彩有菜

 

村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)

村上春樹、河合隼雄に会いにいく / 村上春樹、河合隼雄

0
2015-08-14 | Posted in こころ