からだと自然
競走馬の食生活 - オーガニックな食事と引き算の調教法

Glass Story
競走馬の食生活
家畜の餌の多くは“遺伝子組み換え作物”だと言います。
家畜の場合は、その影響も(家畜自体にも、食べる我々自身にも)すぐには目に見えないかもしれません。
それでは、レース結果としてすぐに結果の現れる競走馬の餌は一体どうなっているのだろう、と競馬の映像を見ながら、ふと疑問に思いました。
オーガニックのものを使用するなどこだわっているのか。
食生活は、アスリートにとっても大事な要素であるように、競走馬にとっても欠かせないものだと思います。
そこで調べてみると、元調教師の秋山さんという方の競走馬にまつわるインタビュー記事を見つけました。
以下は、その記事を参照に書きたいと思います。
オーガニックな餌
競走馬の餌は、かつては各々の栄養素を単品で分けて与えていたと言います。
ところが、現在は、主に「完全配合飼料」と呼ばれる、フスマ、大麦、小麦粉、あるいはミネラルやビタミンなど、様々な栄養素を混ぜ合わせたものを使用している。
こういった栄養重視の食生活の影響で、馬体の大型化も進んでいるそうです。
また、塩味が好きだったり、にんじんを嫌うなど、一頭一頭で好みも違う。
あるいは、サプリメントを利用したり、高麗人参やキノコ、薬草のような生薬を試すこともあると言います。
食事における重要性は、競走馬の世界でも高まっているようです。
ひと昔前までは、餌を扱う業者に勧められるまま、それを馬に与えている厩舎がほとんどでしたが、最近は飼料の配合などを業者に注文して、独自の餌を使っている調教師が多くなりました。
ただ、「オーガニック」というキーワードは、ネットを調べても、ほとんど見つかりませんでした。
ペットフードには割とオーガニックな餌も多いのですが、競走馬にはあまり活用されていないようでした。
引き算の食事法
人間の健康については科学的な近代栄養学を利用した「足し算」の食事法が主流です。
一方で、「引き算」の考え方もある。
たとえば、古くからある少食や断食の効能、また米国を中心とした欧米でも、オーガニックやベジタリアン食が、特にアスリートやエリート層を中心に浸透しています。
テニス世界ランク一位のノバク・ジョコビッチは、強さの秘密を「グルテンフリー」やオーガニックなどの食事であると言います。
グルテンフリーとは、小麦を抜いた食事のことです。
現代の小麦は、過剰な配合や遺伝子組み換え作物の影響で、元来の小麦とは違ったものになっている。
そのため欧米を中心に(日本でも)セリアック病と呼ばれる小麦(グルテン)過敏症が増加している。
そこで彼は、グルテンを抜き、食生活を改善していったことで見違えるような強さを手にしました。
人間のアスリートだけでなく、競走馬も、このような「引き算」の食事法を取り入れてみたら面白いのではないか、と思ったのでした。
