過敏性腸症候群や過呼吸で、「電車に乗るのが怖い」という '予期不安' に、車内でできる対処法 | コップのお話 〜体と心と自然の物語〜
 

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過敏性腸症候群や過呼吸で、「電車に乗るのが怖い」という ‘予期不安’ に、車内でできる対処法

 
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電車内のストレス

徐々に自転車通勤も浸透してきたとは言え、まだまだ都市部では電車通勤、電車通学は欠かせません。

しかし、電車内というのは、満員電車に限らず、知らず知らずのうちに様々なストレスが掛かっています。

とてもリラックスできるような優しい空間ではありません。

こうした電車内の激しいストレス環境にも関わらず、東京を中心とした都市圏では、毎日、出勤、通学のために、長い場合は往復で二時間以上も耐えなければいけません。

只でさえストレス社会で過敏性腸症候群や過呼吸、パニック障害といった心身症が増加しています。

そうした心身症のようなストレスに敏感になった心や体にとっては、電車の車内というのは、非常に負担が大きく、場合によっては「電車に乗るのが怖い」といった状態になることもあります。

なぜ、「電車に乗るのが怖い」のか、その理由として、‘ 予期不安 ’ というものが挙げられます。

 

 

予期不安のメカニズム


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それでは、一体この ‘ 予期不安 ’ とはどういったものでしょうか、その心理的なメカニズムについて解説していきたいと思います。

予期不安とは、その名の通り、あらかじめ予期して、不安を感じる状態を指します。

多かれ少なかれ誰もが体験したことがあるかもしれませんが、一度大きな失敗をすると、それが大きな舞台であって沢山の注目を浴びていたり自分にとって恥ずかしい体験だったりすれば余計に、その屈辱的な記憶がトラウマとなって残ります。

そして、次からは、「また失敗するかもしれない」という不安が心にまとわりつきます。

この「また失敗するかもしれない」という不安を、‘ 予期不安 ’ と呼ぶのです。

特に最初の失敗の際に原因がはっきりしないときは、余計にそのプレッシャー、不安が強くなり、不安が不安を呼んで余計に不安になる、という悪循環にはまり込んでしまいます。

動揺を起こさせるようなショックの大きい体験とともに、なぜ、失敗したのか、という原因が分からないとき、予期不安はぎゅっと結び目を固くするのです。
 
 

心身症と予期不安

過敏性腸症候群や過呼吸、パニック障害のような心身症と、予期不安とは、とても密接な関係性にあります。

それは予期不安のメカニズムで紹介したように、ショックの大きな体験を、これらの病気を患っている場合多くのケースで経験することになるからです(そのショックがきっかけとなる場合もあります)。

その体験の中身は、人それぞれでしょうが、たとえば、会議の途中や発表会の最中に発作に襲われるといったことが挙げられるでしょう。

そして、こうした発作の起きるタイミングというのが、つかめないことが多い。

要するに、トラウマ的な記憶と、同時に、「なぜ、失敗した(体調を崩す)か」がわからないので、対策が打てないという理由から、「また体調を崩すかもしれない」という予期不安に繋がっていくのです。

心身症は、こうした予期不安も大きな原因になるため、症状が起きた体験そのものが次の症状の引き金になっていく、といった「負の連鎖」にはまってしまうのです。

 

冒頭で触れたように、電車の車内は非常にストレスの多い空間です。

その上、密閉された閉鎖的な空間で、体調が悪くなっても、すぐに降りるということができません。

予期不安によって生じる「電車に乗るのが怖い」という心理状態は、こうした様々な不安やストレスの要因が絡み合って起こるのです。

 

 

対処法

このような「負の連鎖」に一度深くはまり込んでしまったら、その治療は決して容易ではありません。

それは、予期不安の心のケアと、ストレスによって狂ってしまった心身(自律神経)のケアの両方が必要になってくるからです。

今すぐに治るといったような対処法はなく、まずは心身のストレスから解放される環境を用意し、日々の生活や食事など、心身をリラックスさせることが重要になってきます。

良くも悪くも、いったん諦める、ということが求められます(そうすればゆっくりと回復に向かっていきます)。

その上で、それでも移動しなければいけないときや、どうしても出席しなければいけない用事があるというときのために、一つだけ、この予期不安と心身症に対する、電車内でもできる、体の面から不安感を沈める対処法を紹介したいと思います。

 

 

電車内のリラックス法

人間が無意識に行っている姿勢というのは、体が「その姿勢をすると楽になる」と知っていて自然と行う、一つの〈整体〉である、と表現することができます。

たとえば、その一つとして、考え込んで緊張している際に無意識に行っている「腕を組む」という仕草には、緊張で縮まった胸の辺りをゆるめる効果があります。

また、煮詰まったときには両手で後頭部を抱えることがあると思います。この「頭を抱える」という動作も、後頭部や首の負担を軽減させる効果的なリラックス法です。

要するに、これらの仕草や癖は、体が自らの緩まる姿勢を求めて無意識に動く、体にそなわった〈整体〉機能なのです。

これから紹介するリラックス法は、こうしたある種の〈整体〉機能を意識的に行うことによって、体と心の緊張をゆるめる方法です。

 

方法そのものは、この日々の動作とほとんど変わりません。

そのため、電車に座りながらでもできるくらい簡単な方法です(揺れに気をつけながらであれば、立ちながら行っても構いません)。

 

まず、腕の曲がる部分に〈曲地〉という、下痢や便秘、生理不順、頭痛などに効果のあるツボがあります。

その〈曲地〉に、右左それぞれの手の手のひらを、反対の腕のツボの位置に、ふわっと、ほんの少し空間を空けるような感覚でかぶせて下さい。

 

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出典 : 「曲池(きょくち)」ツボの場所とポイント解説

 

この仕草をすると、軽く腕を組んでいるような姿勢になると思います(このとき〈触る〉よりも、腕の視点に立って〈触られている〉という感覚を意識してみましょう)。

その姿勢で数分いるだけで、これまで胸や肩の緊張のために呼吸が浅くなっていたのが、緊張がゆるみ、深く呼吸を吐くことができるようになります。

こうして不安感や緊張を緩和させることで、予期不安によって悪化する過敏性腸症候群や過呼吸の負の連鎖を一時的に断ちきることができます。

不安や症状の予兆を察知したときに、これは即効性のある方法なので、ぜひ試してみて下さい。

 

 

まとめ

過敏性腸症候群や過呼吸は、心のケアと、体のケアと、両方の側面からのケアが必要になってきます。

食事面では、当日よりも、むしろ前日の食事に気をつけましょう。

たとえば、過敏性腸症候群の原因の一つは、腸のストレスによる疲弊があります。そこで、一日だけでも、食事を ‘よく茹でた野菜のみ’ にしてみて下さい。

もし改善が見られるようなら、定期的にそうした食事に切り替えて、腸内を休ませてあげましょう(欧米でベジタリアンが増加しているのは、こうした心身症の増加とも関連しています)。

無理をしてこじらせ深みにはまり込んでしまう前に、ストレスケアについて、ぜひ一度立ち止まってゆっくりと考えてみましょう。

 

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2016-03-31 | Posted in からだと自然, こころ