小学校、中学校の給食 − アレルギーや化学物質過敏症への対応と、日本農業の未来 | コップのお話 〜体と心と自然の物語〜
 

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小学校、中学校の給食 − アレルギーや化学物質過敏症への対応と、日本農業の未来

 
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縦棒  アレルギー及び化学物質過敏症と学校給食

小学校や中学校の給食では、多種多様化するアレルギーや化学物質過敏症に対する対応が、これからもっと不可欠なものになってくるでしょう。

しかし、個別にアレルギー対応食を提供したり、化学物質過敏症が悪化していった場合は食べられるものが無農薬、無肥料の自然栽培の食材に限られるため、特に国や地方の財政を考えると、もしかしたら〈給食廃止〉という方向性に向かっていかざるを得ないのかもしれません。

その一方で、経済的に苦しい家庭にとっては給食が子供に欠かせないものだということも多いのではないでしょうか。

楽しいはずの大型連休が、困窮家庭の子にはつらいのだという。

……旅行や遊びに行けないからではない。「学校の給食がなくて、おなかがすくんです。連休も働かなくてはいけない親も多い。今年のように日の並びがいいと、なおさら」

出典 : 毎日新聞「連休がつらい子たち=中村秀明」

難しい問題ですが、おそらく今までのアレルギーや化学物質過敏症の増加傾向から考えても、今後子供たちのあいだの病の増加は避けられないでしょう。

2011年8月に厚生労働省が、「日本人の2人に1人がなんらかのアレルギー疾患を持っている」と発表しました。化学物質過敏症の人も急激に増えています。

これまで変わらずに信じられてきた、農薬や肥料だらけの農業と決して無関係ではないと思います。

『百姓が地球を救う』木村秋則著

農薬や化学肥料、添加物や*1 遺伝子組み換え作物などに溢れた食事では、これからもっと病は増加していくでしょうし、また「食べられない」給食に苦しむ子供も増えていく。

 

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画像 : 『百姓が地球を救う』木村秋則著

 
 

縦棒  給食のオーガニック化


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僕は、遅かれ早かれ、アレルギーや化学物質過敏症に給食で対応するためにも、全ての食材を自然栽培やオーガニックで提供する、という方向に舵を切る以外にないと思います。

給食のオーガニック化など現実的にあり得ない、と思われるかもしれません。

でも、実例として、たとえば南フランスのある小学校では、給食のオーガニック化を果たし、『未来の食卓』という映画にもなっています。

 

映画『未来の食卓』公式サイト

 

確かに、全国から自然栽培の食材を集めようと思うと輸送費も含めて費用がかさむかもしれません。

だから、同時に地産地消も進めていく必要があるでしょう。

公費によってそれぞれの地域で自然栽培を推進し、その県や市内の子供たちに給食として届ける、という循環を作る。農業体験など子供たちとの交流の機会を作っていくこともできるでしょう。

もちろん、これまでの農薬や肥料に頼った農業から方向を変えるというのは経済的にも大変だろうと思います。

だからこそ先ほども言ったように公費 ── 自然栽培に切り替えようと動き出した農家さんに集中的に補助金を与えるような仕組み作りが必要かもしれませんし、そのための地方独自の税金制度の必要性も出てくるかもしれません。

未来税 ── その地域の〈子供〉や〈自然〉といった〈未来〉のために。

 
 

縦棒  日本の農業の未来

日本でも、『奇跡のリンゴ』で有名な木村さんが自然栽培の指導をした石川県の羽咋市では、役所、農協、農家が協力し、市全体で自然栽培を推進しています。

そして、今年、全国ではじめて、たった一日ですが、市内全小中学校で自然栽培の給食が提供されたそうです。

参考 : 羽咋市役所 自然栽培の米、野菜を取り入れた給食を実施

今後、本格的に給食に導入する方向で検討していくと言います。

 

僕は、広大な大地を有するアメリカが推進するような、遺伝子組み換え作物やドローンを使用した農薬の空中散布よりも、こういう小さな動きの集積に、農業だけにとどまらない日本の未来を感じるのです。

 

ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか? (講談社+α新書)

ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか? / 高野 誠鮮

 

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 / 石川 拓治

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2016-05-07 | Posted in からだと自然