夢の話 〜 ちゃんと見てた、という手紙 | コップのお話 〜体と心と自然の物語〜
 

夢の記録

夢の話 〜 ちゃんと見てた、という手紙

 
Glass Story

アパートの一階の部屋の扉の前で僕が鍵を開けようと立っていると、数人の高校生が走ってきた。

そして、一人の女の子が、照れ臭そうに僕に手紙を渡した。「この子ね」と別の一人が茶々を入れる。「この子、あなたのことが好きなんだって!」

僕は、手紙を渡してくれた女の子を見る。知らない顔だ。決して美人とも言えない。彼女に、「僕は、君に会ったことがある?」と尋ねると、その別の一人が後ろから「単刀直入だなあ」と再び茶々を入れる。

女の子は、きらっと表情を輝かせて「あります」と言った。でも、やはり知らない顔だった。

 

彼女から封筒を受け取って部屋に戻った。

窓を覆っている薄いレースのカーテンから、眩しい昼の灯りが零れる。窓をほんの少し開けて、座卓に戻って座る。淡い桃色の封筒を、僕はゆっくりと開けて便箋を取り出す。

文面は、「大学時代のあなたを見てた」という内容だった。

好きとか、ラブレターを匂わせるような雰囲気の甘い言葉はなく、ただ、手書きのキャンパスの地図と、「ちゃんと見ていたんです」とあるだけだった。

脳内を霧が漂うみたいに大学時代の記憶が蘇ってきて、なんだか僕はホッと胸を撫で下ろした。


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そうなんだ、ちゃんと見ていてくれたんだね。安心した、と僕は思った。

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2016-05-14 | Posted in 夢の記録