東洋医学と夢 − 夢の中身で診る病気や健康の傾向 | コップのお話 〜体と心と自然の物語〜
 

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東洋医学と夢 − 夢の中身で診る病気や健康の傾向

 
Glass Story

西洋の夢判断

西洋で発達した心理学、特に20世紀初頭にフロイトが提唱した精神分析学は、僕たちは、意識に上っている世界だけでなく、その裏に、抑圧された無意識がある、と言いました。

それまでの近代社会は、「考えていること」が全てだったのですが、フロイトは、その表層だけでなく、自分たちも把握できない無意識が、その奥底に眠っている、と考えました。

そして、その根底にあるものが、動物的本能であり、リビドーという性的エネルギーだと言います。

要するに、簡単に言うと、僕たちは、まだ赤ん坊の頃から(大人になってからのものとは現れ方は違っても)根源的に性的欲望を持っていて、年齢を重ねるごとに、その欲望を、理性で抑えつけるようになる。

その抑圧された欲望が、たとえば、夜、意識レベルが低下しているときに夢として現れるのだ、と言います。

だから、夢の中身は、フロイトにとっては、ことごとく「性的な欲望のメタファー」になります(シャープペンシルや傘など、先端の尖ったものは男性器で、部屋は子宮といった風に。参照 : 「フロツキーの夢日記」)。

 

 

東洋医学と夢

一方で、東洋医学は、ここまではっきりと心と体を分離して考えたり、象徴をつなぎ合わせて頭によって分析するといったことはしません。


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もう少し、心身を重ね合わせて、夢の中身を体調の変化と照らし合わせることで、診断のヒントとします。

ここでは、東洋医学の元祖でもある中医学の古典『黄帝内経』の解説書である『病を治す哲学(講談社+@新書)』を引用して、東洋医学から見た、夢の中身と病気の関係性を紹介したいと思います。

尚、東洋医学の世界には(そして日本語でも多く登場します)「気」という言葉が頻出します。

これはとりあえず血流や神経、あるいは意識の流れなどの総称のように大雑把に考えてもらって構いません(東洋の世界は、言葉という「頭」によっては世界は完全に分節できない、という考えが根底にあるため、ざっくりと総称して捉えるのが特徴です)。

『黄帝内経』では、臓器の気が過剰になりすぎたり、弱くなりすぎたりすると、身体がどのような表現をするかが書かれています。

肝臓の気が強すぎると、怒っている夢を見る。

肺の気が強すぎると、恐怖の夢や、泣く夢を見る。

心臓の気が強すぎると、すごく笑ったり、脅迫されたりする夢を見る。

脾臓の気が強すぎると、歌を歌ったり、楽しく過ごしたりする夢、あるいは身体が動かなくなる夢を見る。

腎臓の気が強すぎると、腰と背骨が分かれているような感覚の夢を見る。

『病を治す哲学』青島大明著

気が強いことは決して悪いことではないのですが、そのエネルギーが過剰だと途中で他の臓器とのバランス(東洋医学はバランスを重んじる)が崩れ、病気の原因に繋がっていく場合があると言います。

また、気が弱っている場合にどんな夢を見るかについても、各々の臓器について書いています。

 

心臓 → 大きな山や煙、水

肺 → 飛んだり跳ねたりする、あるいは金属製の変な形のものを作る夢

肝臓 → 仙人や樹木

脾臓 → 小高い山、大きな湿原、風雨で壊れた家の夢

腎臓 → 谷底や水のなかに入る

膀胱 → あちこちぶらぶらする

胃 → 食べたり飲んだりする

大腸 → 広い畑

小腸 → 交通が混雑している夢

胆嚢 → 人と格闘したり、訴訟をする、あるいは切腹して自殺する

生殖器 → 性交の夢

首 → 首が切られる夢

足 → 歩いても進まない。あるいは地下の穴に入れられて上がれない

太ももや腕 → 土下座をする夢

膀胱や直腸 → 排尿や排便の夢

 

こちらも、こういう夢を見たからと言って即座に病気だと心配するというよりも、自分の健康状態に関する傾向を知っておくというくらいの気持ちで参考にしてみて下さい。

足つぼ

画像 : 足つぼカフェ

目星をつけたら、試しに足つぼをぐりぐりと押してみましょう。

痛かったり堅いようなら(左右差もある場合があります)、弱っていると言うことなので、ぜひ臓器を休めたり、習慣的にマッサージをしてあげて下さい。

 

病を治す哲学――伝説的医書『黄帝内経』の驚異 (講談社+α新書)

病を治す哲学 / 青島大明

 

精神分析学入門〈1〉 (中公クラシックス)

精神分析学入門 / ジークムント・フロイト

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2016-07-10 | Posted in からだと自然