置き去り | コップのお話 〜コップの水が溢れるように〜
 

日記

置き去り

Glass Story

母と祖母と、電車に乗っている夢を見た。

車窓の外には海が広がっていて、海には様々な建築物が建っていた。工事中の骨組みだけのものもあって、隙間から働いている人たちの影が見えた。

色々な話をした。日々のこと、戦争のこと。

突然、母親が、「降りなくちゃ」と言った。僕は、〈あれ、僕はどこで降りるんだっけ〉、と急に不安になって焦って荷物をまとめた。

先に祖母が降りていった。祖母は、「見送りはいいって」と母や僕を制止しようとする(母親ではなく、祖母が降りる駅だったようだ)。

僕も、もしかしたらその駅で降りる必要があるかもしれない、とりあえず降りよう、と急ぐのだけど、荷物が手元でおぼつかない。

二人とも、もう降りてホームに立っていた。僕だけが車内に残されて、ゆっくりと電車は走りだしてゆく。

“行かないで、待って、置き去りにしないで。”

そういう夢をよく見る。

数日前に会ったのに、忘れたでしょ、と冗談めかして言うこともある。忘れるわけないでしょ、と笑われる。

行かないで、待って、置き去りにしないで、という不安に駆られるとき、待たずに行ってしまうのは、置き去りにするのは、何もかもを忘れてしまいそうになるのは、僕なのだ、とあとになって気づく。

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2016-12-14 | Posted in 日記