夢の話 〜 生命と姓名、死んでいくときの感覚と、死後の魂 | コップのお話 〜体と心と自然の物語〜
 

夢の記録

夢の話 〜 生命と姓名、死んでいくときの感覚と、死後の魂

 
Glass Story

死後の夢を見た。

夢の世界で、はっきりとそれが死後であるという自覚があった。

僕は、得体の知れない何者かに罰として(一瞬で)体を奪われ、家々の屋根や木々の上、マンションのあいだを浮遊していた。意識だけはぼんやりと残っていた。

体は一切透明で、意識の上では上半身はかろうじて存在感を持っていたものの、下半身はまったく存在していないような感覚だった。

風になびかれるように宙を舞っていた。ふわふわと漂い、建物を見下ろしながら、たんぽぽの綿毛のようだな、と思った。決して心地のよいものではなかった。

自由もなく、次第に不安が募っていった。しかし、不安という感情も徐々におぼろげになっていった。

ああ、僕は、死んでいく、ほんとうに消えてゆくのだ。魂さえも、ゆっくりと。

そうして僕は、僕の魂が、どうやら次の生命を探しているらしいことに気がついた(魂というのは、このおぼろげな意識と、不自由でかすかな身体感覚と、綿毛をいざなう風の意思とが渾然一体となったものだった)。

終わってゆく、僕が終わってゆくんだ。


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僕は、こみ上げてくる悲しみごと吐き出すように、この世界に最後の吐息を残すように、何度も何度も、僕が生前に与えられた姓名を唱えた。祈るように呟いた。

消えてゆく意識とともに目が覚めた。

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2016-12-18 | Posted in 夢の記録