平均寿命100歳「人生100年時代」という神話の嘘 Ⅰ | コップのお話 〜コップの水が溢れるように〜
 

ぼんやりとおもうこと

平均寿命100歳「人生100年時代」という神話の嘘 Ⅰ

 
Glass Story

人生100年時代の嘘

平均寿命100歳「人生100年時代」が到来する、と意気揚々と掲げる経済学者を眺めていると、悲しく空しい気持ちになる。

そんなの嘘だよ、人生100年時代になるわけがないじゃん、と夜の川沿いに吐き捨てたくなる。

数字ばかりを追いかける専門家たちは、「人生100年」という都合のよい数字を構築し、前提とし、さっそく色々な制度設計を始める。

我々は、これから平均寿命は「右肩上がりで成長」し、人生100年時代に入る。年寄りはさらに若返りを見せ、80歳まではかくしゃくと働き、いつまでも「税金」を収められるようになるだろう、と。

そんな舌のとろけるような甘い夢を、物語の最初の一行にして、未来の予算を(場合によっては“クレジット・カード”を使って)妄想するようになる。

大きな嘘っぱちの神話を創作する。

それは妙案だ、現実的だ、とテーブルを囲んでおじさんたちが笑う。「お花畑」で手をとり、踊る、無邪気な純白の少女のように。

中途半端な抽象論ばかりが牛耳る、信仰も感受性も失ったこの国の、深く絶望的な悲しみを嘆く。

あの頃我々は愚かだった、と50年後に気づくのだろう、また。

自分たちのリアリズムに鼻ふくらませている連中ですら、厳密にいうと、正真正銘の夢想家なんだよ。

ミヒャエル・エンデ

ねえ見て、ちゃんと耳を傾けてごらん。周りの若者たちの、瞳の色を、死の予兆の混じった息遣いを。

ある世代より下は、次々に亡くなっていませんか。

悪しき言霊信仰のこの国では、悲観論には蓋をして、楽観論にすがりつく。

その蓋のなかで、未来が窒息死する。

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2017-01-16 | Posted in ぼんやりとおもうこと