原因と治療法 アレルギーや化学物質過敏症の温床「腸もれ(リーキーガット症候群)」とは | コップのお話
 

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原因と治療法 アレルギーや化学物質過敏症の温床「腸もれ(リーキーガット症候群)」とは

 
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現代病の増加

食物アレルギーを中心とするアレルギー疾患や、うつ病、パニック障害、過敏性腸症候群などの精神疾患や化学物質過敏症のような神経症状など、様々な現代病の多くが、今増加の一途をたどっています。

 

画像 こころの健康対策

 

この厚労省の「患者調査」はあくまで「病院を受診している患者」の数なので、実際はこれを遥かに上回る数の人がうつ病を含めた精神疾患に苦しんでいると考えられます。

うつ病が代表的ですが、病院に通っても対症療法をほどこすことが限界で、その都度モグラ叩きのように抑え込みながら、気づくと薬漬けになっていることも少なくありません。

そうして場合によっては、いざ薬をやめようと思っても体がすっかり薬の依存状態になっている「離脱症状」に苦しむ、ということになりかねません。

また、根本的な改善に着手することなく薬を使用しつづけると、やがて体が本当に悲鳴をあげて化学物質過敏症を発症するケースもあります。

これはうつ病だけに関わるものではなく、多くの現代病や慢性疾患に言えることでしょう。

そこで、こうした病気については、「根本的な原因」を考えなければいけません。

 

 

うつ病やアレルギーの原因、「腸もれ(リーキーガット症候群)」とは

ある腸の専門家はこの病を分かりやすく「腸もれ」と呼んでいるのですが、正確には「Leaky Gut Syndrome(リーキーガット症候群)」という名前の、うつ病やアレルギーの原因と考えられる疾患があります。

この「リーキーガット症候群」、まだまだ日本では馴染みがありませんが、昨今増加している遅延型アレルギー、腹部膨満感や過敏性腸症候群、線維筋痛症や化学物質過敏症など様々な「原因不明の難病」の大きな原因の一つと考えられています。

化学物質への感受性増大、線維性筋肉痛、および食物アレルギーの増加は、このLGSによって引き起こされる場合が少なくありません。

最近ではTVのコマーシャルでも耳に馴染んでいる「腸内ガス」「膨満感」、さらに、これらが原因で起こる腹痛、消化不良によって起こる便秘、そして、下痢などの症状は、従来、過敏性腸症候群として認知、説明されてきましたが、これらの症状の多くにはLGSが関与していることもわかってきています。

出典 : 栄養医学研究所「LGS(リーキーガット症候群)について」

それでは、このリーキーガット症候群とは、一体どういった状態を指すのでしょうか。

 

まず、食べものは、口から食べ、食道や胃を経て、小腸にたどり着きます。

 

画像 内臓の臓器の位置と図と病気

 

この小腸にたどり着く前に、口の唾液から始まって胃や肝臓、膵臓などによって食べものは消化分解され、その後、小腸で吸収するような仕組みになっています。

この小腸の表面を「腸粘膜」と呼び、腸粘膜を通して、消化分解された食物の栄養源が体内に吸収されていくのですが、この粘膜というのが、ある種の関所のような形となって、「通すもの」「通さないもの」を選別するような働きをします。

ところが、この関所となる腸粘膜が、「何らかのストレス」が原因によって腸内環境の悪化が生じすると、粘膜に「隙間」ができ、入ってはいけないものが腸壁から血液内に侵入、結果、体がアレルギー反応や過敏症状を起こすようになるのです。

何らかのストレスが原因で腸内細菌のバランスが崩れ、腸内環境が乱れると腸の粘膜の細胞と細胞の間に隙間が出来るのです。そして、出来た隙間から通常では通れないようなペプチドやたんぱく質が血液中に漏れ出るようになるのです。このような状態を「腸管漏出症候群(リーキーガット)」と言います。

出典 : 小池統合医療内科「遅延型アレルギーと治療・検査について」

ざっくりと説明すれば、腸の栄養吸収を行う「穴」が、腸内環境の悪化によって広がってしまっているのです。

 

 

リーキーガット症候群の症状

現在、様々な慢性疾患や難病に悩んでいる人が多く、その症状を薬物療法でその都度抑えることで凌いでいると思うのですが、その慢性疾患の根本的な原因の一つとして考えられるのが、このリーキーガット症候群です。

なぜ、リーキーガット症候群が「根本的な原因」として注目を浴びているのでしょうか。

まず、リーキーガット症候群に罹ったり重症化が進むと、たとえば「遅延型アレルギー」や「化学物質過敏症」を発症します(遅延型アレルギーとは、食後すぐではなく数時間以上経ってから症状が出るアレルギー、化学物質過敏症は化学物質を摂取すると発作症状にみまわれる現代病で、潜在的な患者数は相当いると考えられます)。

それは、先ほども説明したように、腸内に「隙間(侵入経路)」が生じ、その場所からアレルゲンとなる物質や化学物質が入ってきて免疫系統が反応するからです。

このようなリーキーガットの状態では、十分に分解されていない大きな分子が血液中に入るため、アレルギー反応を起こします。これが「遅延型フードアレルギー」です。

出典 : 小池統合医療内科「遅延型アレルギーと治療・検査について」

腸粘膜は、人間が生きていくための栄養素とエネルギー源の入り口です。

化学物質への感受性増大、線維性筋肉痛、および食物アレルギーの増加は、このLGS(リーキーガット症候群)によって引き起こされる場合が少なくありません。

出典 : 栄養医学研究所「LGS(リーキーガット症候群)について」

この「遅延型アレルギー」や「化学物質過敏症」は、病状や、引き金となる物質が個々で全く違うので、それぞれの症状に「原因不明の疾患」や「精神疾患」の病名がつけられ、その症状を抑える対症療法の薬が延々と処方され続ける、というループに多くの方がはまり込んでいます。

たとえば、遅延型アレルギーに関連のある症状について、小池統合医療内科では次のように多岐にわたって紹介しています。

発疹、湿疹、にきび、肌荒れ、フケ症、アトピー性皮膚炎、口内炎、ドライアイ、多汗症、体重増加、喘息、鼻水・鼻づまり、副鼻腔炎、カンジダ症、結合組織炎、慢性感染症、関節リウマチ、関節炎、筋肉痛、高血圧、不整脈、癌、糖尿病、偏頭痛、クローン病、嚢胞性線維症、IBS(過敏性腸症候群)、LGS(腸管壁浸漏症候群)、多発性硬化症、便秘、下痢、むくみ、おりもの、PMS(月経前症候群)、子宮内膜症、慢性疲労症候群、注意欠陥(多動性)障害、自閉症スペクトラム、うつ病、統合失調症、言語障害、学習障害、運動障害、強迫性障害、精神病、暴力的・攻撃的行動、睡眠障害、チック障害、トウレット症候群など

出典 : 小池統合医療内科「遅延型アレルギーと治療・検査について」

これじゃあほとんど全部じゃないか、と思われるかもしれませんが、アレルギーや化学物質過敏症の症状は、遺伝や環境などによって弱っている場所から噴出するので、こうしたあらゆる症状の名前が挙がるのです。

一見すると精神的な症状や個人の性格にも思えるような、うつ病や暴力性、自閉症や多動症などにも影響を与える(意識障害に近い)ので、もちろん生まれ持ったものとの兼ね合いでもあるため、これがひとつだけ治ったからと言ってすべてが回復するかどうかはわかりませんが、大きな要因のひとつであることは確かであり、対策をこうじることで改善がみられることは、可能性として大いにありうるでしょう。

 

既存の西洋医学では、この症状を一つ一つ抑えるための薬を投与する以外にできません。「原因」について着手することができないのです。

花粉症の原因は何か、と尋ねると、「花粉」という答えが返ってくるでしょうが、それは「原因」ではなく「きっかけ(アレルゲン)」です。アレルギー症状の「原因」とは言えません。

また、アレルギー反応に関する専門用語を使って「原因」を説明される場合もあるかもしれません。

アレルゲンが体内に入ってくると、これをやっつけようと「IgE(アイジーイー)抗体」というタンパク質がつくりだされます。このIgE抗体は、皮膚や粘膜に多くあるマスト細胞の表面に、まるでアンテナのように張りめぐらされています。再びアレルゲンが侵入してきて、このIgE抗体のアンテナにひっかかり結合したとき、マスト細胞の中につまっているヒスタミンなどの化学物質が一気に放出されて、かゆみなどの症状があらわれてくるのです。

出典 : アレルギーってなあに?

しかし、これも「原因」ではなく「メカニズム(作用機序)」です。

根本的な原因には、このリーキーガット症候群が深く関連しているのです。

 

 

リーキーガット症候群の原因

それでは、さらにもう一歩進んで、このリーキーガット症候群の「原因」とは一体なんでしょうか。

途中、リーキーガット症候群の説明の際、「何らかのストレス」という表現がありました。この「何らかのストレス」という言葉こそが、近代科学(医学)では現代病を捉えるのが難しい事情を如実に物語っています。

なぜなら、科学(医学)は、再現可能性が尊重されるため、単純な因果関係を好む傾向にあります。

花粉(原因)を取りこんで、くしゃみ(結果)が生じる。そのくしゃみ(原因)を抑えるために、薬(結果)を使用する。薬(原因)を服用して、症状が消える(結果)。こうしたシンプルな流れを、根本的な物事の考え方にしているのです。

ところが、腸内環境を荒らす「何らかのストレス」は、(遅延型アレルギーの症状と同様に)決して単一ではありません。

早くからこのリーキーガット症候群に着目し、情報発信を行っている栄養医学研究所では、「原因」となるものを以下のように挙げています。

1、 抗生物質が胃腸器官系の細菌、寄生虫、カンジダ、真菌類の異常繁殖を促すため。  
2、 アルコール類、カフェインなどの刺激物  
3、 食物と飲料 ・細菌によって腐敗、汚染された食物や地下水 ・着色剤、防腐剤、酸化防止剤など、食品添加物として使用されている化学合成物の混入した食物や飲料水  
4、 酵素欠乏  
5、 非ステロイド系抗炎症薬(イブプロフェン、インドメタシン等)  
6、 プレドニゾンのような処方コルチコステロイド  
7、 精製炭水化物食品(クッキー、ケーキ、清涼飲料、漂白パン )
8、 避妊用ホルモン(ピル)
9、 精製炭水化物食品に混入しているカビ、菌

出典 : 栄養医学研究所「LGS(リーキーガット症候群)について」

もちろん、これ以外にも睡眠不足や精神的なストレスも関連してくるでしょう。

また、こうした「ストレス」が重なって早食いや過食が習慣になっていることもリーキーガット症候群の温床になります。早食いによってよく噛まずに飲み込んだり次々と過食を続けることで、消化不全のまま沢山の食材が腸を通ることになり、腸内環境の慢性的な悪化を引き起こすのです。

 

 

リーキーガット症候群の治療法

リーキーガット症候群の治療法は、ここまで挙げた「原因」を取り除き、ゆっくりと腸内環境を修復していく以外にありません。

以下に、治療法として考えられる方法を紹介したいと思います。

まず食生活は、野菜(なるべく無農薬のものを選びましょう)をたっぷりととることが肝心です。肉や糖質はしばらく避け、消化の負担が少ないものにします。

水も、清浄なものを飲用するようにしましょう。

油を使用する場合は、オメガ3系脂肪酸(亜麻仁油やえごま油、青魚など)を選ぶとよいでしょう。アレルギーの抑制や炎症の鎮静に効果があります。

精製の炭水化物(白米、小麦、砂糖)や、カフェイン、アルコール、またアレルゲン(と疑われるもの)は食生活から外しましょう。

睡眠もじゅうぶんにとり、体の修復をうながすことも大切です。

なにより色々と摂取して「腸内を強化する」ということよりも、いったんは引き算(断食や少食などもふくめ)によって腸内の環境をリセットさせることのほうが先決であると考えるようにするとよいでしょう。

 

 

まとめ

化学物質過敏症の増加も、一方では20世紀になって増えた外界のおびただしい数の化学物質が影響し、もう一方では、受け手である体のほうのリーキーガット症候群が影響して閉ざすことができずに体内に入ってくる。

今後は、こうした「化学物質過敏症」と「リーキーガット症候群」の両輪が、ますます重要な概念となっていくでしょう。

 

「腸もれ」があなたを壊す!

「腸もれ」があなたを壊す! / 藤田紘一郎

 

リーキーガット症候群:あなたのその不調の原因は腸の”漏れ”にあった!

リーキーガット症候群:あなたのその不調の原因は腸の”漏れ”にあった! / トンプソン真理子

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2017-03-03 | Posted in からだと自然