八木重吉と谷川俊太郎の「間違い」 | コップのお話 〜体と心と自然の物語〜
 

文学と芸術

八木重吉と谷川俊太郎の「間違い」

 
Glass Story

 

八木重吉と、谷川俊太郎

戦前、29歳という若さで亡くなった詩人、八木重吉の「草にすわる」という詩がある。

そして、重吉の「草にすわる」を受けて、谷川俊太郎さんが書いた「間違い」という詩。

 

 

草に すわる

わたしのまちがひだつた

わたしの まちがひだつた

こうして 草にすわれば それがわかる

八木重吉

 

 

 

間違い

わたしのまちがいだった
わたしの まちがいだった
こうして 草にすわれば それがわかる

そう八木重吉は書いた(その息遣いが聞こえる)
そんなにも深く自分の間違いが
腑に落ちたことが私にあったか

草に座れないから
まわりはコンクリートしかないから
私は自分の間違いを知ることができない
たったひとつでも間違いに気づいたら
すべてがいちどきに瓦解しかねない
椅子に座ってぼんやりそう思う

私の間違いじゃないあなたの間違いだ
あなたの間違いじゃない彼等の間違いだ
みんなが間違っていれば誰も気づかない

草に座れぬまま私は死ぬのだ
間違ったまま私は死ぬのだ
間違いを探しあぐねて

谷川俊太郎

 

 

詩というのは、自分が間違ってしまっているときに響くもの。

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2017-05-02 | Posted in 文学と芸術