遺伝子組み換え(GMO)作物の米国モンサント社と、反モンサントの、歌 | コップのお話 〜体と心と自然の物語〜
 

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遺伝子組み換え(GMO)作物の米国モンサント社と、反モンサントの、歌

 
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モンサント社とは

モンサント社と言うと、遺伝子組み換え(GMO)作物で有名な米国の巨大企業だ。

モンサント社は、一見「遺伝子組み換え」という新しい技術とともに現れた若いスタートアップ企業かと思いきや、歴史は古く、1901年に人工甘味料をコカ・コーラに販売する企業として創業している。

その後、1920年代に入ると、硫酸やポリ塩化ビフェニル、1940年代にはプラスチックや合成繊維のメーカーとして拡大していく。

またモンサント社は農薬や除草剤のメーカーとしても有名で、ベトナム戦争で米国が使用した枯葉剤のメーカーでもある。

枯葉剤の散布は、名目上はマラリアを媒介するマラリア蚊や蛭を退治するためとされたが、実際はベトコンの隠れ場となる森林の枯死、およびゲリラ支配地域の農業基盤である耕作地域の破壊が目的であったといわれる。

枯葉剤は1961年から1975年にかけてゲリラの根拠地であったサイゴン周辺やタイニン省やバクリエウ省のホンダン県(ベトナム語版、英語版)などに大量に散布された。

出典  :  枯葉剤|Wikipedia

日本でも戦後化学肥料や農薬、除草剤というものが爆発的に普及していった(農薬等の人体への影響については、有吉佐和子『複合汚染』に詳しい)。

日本の農家を管轄する農協(JA)が、その農薬や除草剤などの化学薬品を販売し、使用法を指導しているので、農薬などを使用しないと「村八分」に合う、変わり者扱いされる、そもそも農家さん自身が、「化学肥料や農薬なしで作物が育つはずがない」と信じ込んでいる。

その辺りの肌感覚は、無農薬リンゴで有名になった木村秋則さんの『奇跡のリンゴ』を読むとわかる。

木村さんは、当初無農薬リンゴに挑戦するも全くうまくいかず、多くを失い、周りの農家からは陰口を叩かれた。

弱り果てた木村さんは、自殺しようと紐を持って岩木山に登った。

すると、そこには農薬も肥料も使っていないどんぐりの木が元気に育っていることに気づき、木村さんは心底驚く、というシーンが印象的である。

自然界は、なぜ化学肥料も農薬も使わないのにすくすくと育っているのか、という疑問にぶつかったのだ(「自殺寸前に起きたある出来事。「奇跡のリンゴ」はこうして生まれた|MEG2NEWS」)。

 

 

遺伝子組み換え(GMO)作物と、反モンサントの歌

さて、このモンサント社が昨今大々的に普及を推進しようとしているのが、冒頭で触れた遺伝子組換え(GMO)作物だ。

モンサント社は、自社の製品に耐性を持つよう遺伝子操作したタネを製造し、農薬や除草剤とセットで農家に販売する。

農家はそのタネで作物をつくり、ドローンなどを使って広大な土地に農薬や除草剤を撒く。

すると、遺伝子組換え作物以外の草も虫も皆全滅するので効率的に農業ができる、というのがモンサント社の謳い文句だ。

モンサントは遺伝子組み換え作物のタネを開発し、生産するアメリカの会社で、そのタネの世界シェアは90%にもなる多国籍企業である。

遺伝子組み換え植物は除草剤への耐性があり、害虫に強いといった特性もある。だから食料生産量が飛躍的に増え、農作業も軽減できると宣伝されている。ただし、その人体や環境への影響が強く危惧されているし、除草剤を含めたタネの世界的な独占という問題もある。

しかもこのタネは再生産できないものだから、生産者は、毎年タネを買わねばならないのである。放っておけば、世界の農業を一社が独占的に支配してしまいかねないのである。

出典  :  反モンサントのアルバム|cdreview

また、バクテリアから害虫を殺す遺伝子を取り出し、トウモロコシの遺伝子に組み込む。

トウモロコシ自身が虫を殺す能力を有すれば、そもそも農薬を撒く手間さえ省ける。トウモロコシに寄ってきて食べた虫が、その時点で死んでしまうのである。

あるいは、「自殺種子(ターミネーター技術)」と呼ばれる種子の存在も懸念される。

これは、発芽すると同時に種子が「自殺」するよう遺伝子操作された種子で、タネをとることはできるが、種子としては使えなくなる。

なぜ、このようなことをモンサント社が目論むかと言うと、先の引用にもあるように、「このタネは再生産できないものだから、生産者は、毎年タネを買わねばならない」ようにしたいからだ(そもそもモンサント社は、こうした遺伝子組み替え種子を「特許品」として権利を申請し、《勝手なこと》は許さない仕組みを構築する)。

当然、モンサント社の安定的な収益になる。

ターミネーター技術(あるいはGenetic Use Restriction Technologies、GURTs)とは種子が発芽する時に自死してしまうように遺伝子組み換えされた種子の技術で、種子を採ることはできるけれども、それを再び、保存して耕作に使うことができなくなります。

種子を保存し、次の耕作に使う。これは古来、人類が続けてきた農業の基本ですが、遺伝子組み換え企業はこれを毎回耕作するごとに、企業から種子を買わなければならない形に変えようとしてきました。実質、日本でも種採りはほとんど行われなくなっていますが、世界ではまだ多くが伝統的な農業で種採りが行われています。

出典  :  ブラジルで自殺種子(ターミネーター技術)解禁・合法化法案|るいネット

こうしたモンサント社と遺伝子組み換え作物に対し、世界中から批判が集まり、各地でデモが活発化(世界各地で反モンサント・デモ、遺伝子組み換え作物などに抗議|AFP BBNEWS)している。

ロック・ミュージシャンのニール・ヤングは、モンサントの作物を使っているとしてスターバックスを批判する曲「A Rock Star Bucks A Coffee Shop(The Monsanto Years収録)」を歌う。

以下は、「A Rock Star Bucks A Coffee Shop(ロック・スターバックス)」の歌詞である(日本語訳をしてくれているサイトA Rock Star Bucks A Coffee Shop|工場日記があったので、そこから引用しました)。

 

If you don’t like to rock Starbucks A coffee shop
もしスターバックスを喜ばせたくないんだったら

Well you better change your station ‘cause that ain’t all that we got
行きつけの店を変えろよ。コーヒー屋はスタバだけじゃないんだから

Yeah, I want a cup of coffee but I don’t want a GMO
そうだ、俺はコーヒーは飲みたいが、遺伝子組み換え食品なんて欲しくない

I like to start my day off without helping Monsanto
一日を始める時に、モンサントの手助けなんてしたくない

 

Mon-san-to
モンサント

Let our farmers grow what they want to grow
農民たちに、育てたい物を育てさせろ

 

From the fields of Nebraska to the banks of the Ohio
ネブラスカの畑からオハイオの川岸まで

Farmers won’t be free to grow what they wanna grow
農民たちは、育てたい物を育てる自由がなくなるだろう

If corporate control takes over the American farm
もし、企業支配がアメリカの農場をすべて覆い尽くすことになったなら

With fascist politicians and chemical giants walking arm in arm
そして、独裁主義の政治家たちが巨大化学企業と手を組んだなら

 

Mon-san-to
モンサント

Let our farmers grow what they want to grow
農民たちに、育てたい物を育てさせろ

 

When the people of Vermont wanted to label food with GMOs
バーモント州民は食品への “遺伝子組み換えの表示” を求めた

So that they could find out what was in what the farmer grows
農民たちの作った物の中に何が入っているかを知るためだ

Monsanto and Starbucks through the Grocery Manufacturers Alliance
モンサントとスターバックスは食料品製造業協会を介して

They sued the state of Vermont to overturn the people’s will 
バーモント州を訴え、人々の意志を覆そうとしている

 

Mon-san-to (and Starbucks)
モンサント(それにスターバックス)

Mothers want to know what they feed their children
母親たちは子供に与える食べ物の中身を知りたがっている

 

Mon-san-to
モンサント

Let our farmers grow what they want to grow
農民たちに、育てたい物を育てさせろ

 

アメリカでは、「ロック」が「オーガニック」と結びつく。それは、こうした大企業の支配や破壊に対するアンチテーゼが含まれるからだ。

一方、日本では、こうした動きにはなりづらい。

環境破壊に異議申し立てをしたり、自然保護を謳うよりも、むしろ、ただただ失われていくものを悲しみ、あわれ、また自然を言祝ぐ、といったものが多い。

たとえば、ケツメイシというヒップホップグループが、「花鳥風月」を歌う。

 

木々の揺れ 川 風 葉 ざわめき

闇照らす月とそれ 重ねに

満ち欠けここに 見出されし こよみ

月への畏敬 それ今はどこに

柔らかく射す 光ここに浴びたれ

変わらなく持つ 光どこに投げかける

満天の空よりも 月ひとつあれば

皆が見る同じ夜空 何も変わらなけりゃ

自然は 依然と 毅然としてるが

人間はどうだろうか? 自ら首絞める

叢雲 花に風 虫のしらせ

知らねぇと 今宵 月また輝く

月明かりが 頼りのヤモリがよし

満ち欠けに 引かれ見上げるが良い

月は語らないし 笑わないし 何も変わらない

俺に唱えてくれ これに答えておくれ

花よ 鳥よ 風よ 月よ

永久に空に消えるまで 月の光を

 

 

モンサント社の見解

最後に、モンサント社が自社の日本版のホームページで「モンサントについてよくある10の誤解」というコーナーを設けているので紹介したいと思う。

彼らは、次の10個のモンサント社への「誤解」に対する見解を述べ、これを否定する。

 

1. モンサントの社員は、社員食堂で遺伝子組換え食品を食べない(有機栽培の食品しか食べない)。

 

2. モンサントは農家に自社の種子を買わせるために、「ターミネーター種子」をつくって毎年種を買わせて儲けている。

 

3. モンサントは、知らないうちに畑に遺伝子組換え作物が生えてきても、農家を特許侵害で訴えている。

 

4. モンサントの遺伝子組換え作物は、インドで多くの農業生産者を自殺に追い込んだ。

 

5. モンサントのラウンドアップ®除草剤はベトナム戦争の枯葉剤で危険だ。

 

6. モンサントは政府や科学者を買収して危険な製品を安全だとして販売している。

 

7. モンサントは世界の食糧を支配しようとしている。

 

8. モンサントの遺伝子組換え作物を餌として食べた家畜が死んだり、病気になっている。

 

9. 遺伝子組換え食品を食べると自閉症になったり、ガンや内臓疾患などの健康被害が起きる。

 

10. モンサントはTPPで日本の遺伝子組換え表示を廃止させ、米国から日本に危ない遺伝子組換え作物をたくさん輸入しようとしている。

 

そうしてモンサント社は、安全な農作物をつくるためには、何よりも「健全な農地」を守ることが大事だ、と謳う。

「健全な農地」を守る方法とは

近年の米国農業では、農薬や肥料などの農業資材を必要なときに必要な量だけ使うことをサポートする精密農業の普及が進んでいます。さらに、米国の農家は科学技術を積極的に取り入れることによって、「健全な農地」を守る取り組みを続けています。

例えば、より環境中への残留性が低く、特定の害虫だけに効果のある農薬であったり、農薬や灌漑の使用量を抑えられる遺伝子組換え作物を使うことで、農地の環境を守りながら持続可能な農業の実現を目指しています。

また、これらの技術の進化は継承計画を簡素化するのにも役立っており、次世代に明るい未来をもたらします。

出典  :  米国の農家が大切にしていること|モンサントジャーナル

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2017-11-29 | Posted in からだと自然