狂気と美 〜フィギュアスケート羽生結弦選手、二つの会見で出た〈名言〉まとめ〜 | コップのお話 〜コップの水が溢れるように〜
 

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狂気と美 〜フィギュアスケート羽生結弦選手、二つの会見で出た〈名言〉まとめ〜

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会見で見た、羽生結弦選手の〈名言〉まとめ

冬季オリンピックのフィギュアスケートで二大会連続の金メダルをとった羽生結弦選手(23)。

羽生選手が、そのオリンピックを終えて行なった二つの会見「日本記者クラブ」と「外国特派員協会」から、個人的に印象に残った〈名言〉をまとめました。

 

外国特派員協会会見(動画)

①日本の音楽を基調とした曲で金メダルをとれたことは歴史的なこと。

オリンピックの演技で使用する音楽について質問を受けた際、羽生結弦選手は、「アジア人」「日本人」という言葉で説明しました。

フィギュアスケートの歴史はヨーロッパが中心で、アジア人が勝つということはほとんどありませんでした。

こうした背景のなかで、今回使用した「陰陽師」のサウンドトラックのような、日本の音楽を基調とした曲で金メダルをとれたことは非常に歴史的なことである、と羽生選手は言います。

 

 

②芸術というのは明らかに正しい技術、徹底された基礎によって裏付けされた表現力。技術が足りないと芸術にはならない。

フィギュアのジャンプについて尋ねられた際、羽生選手が言ったのが、この「芸術は徹底された基礎に裏付けされた表現力」という言葉でした。

ジャンプ、ステップ、スピン、あらゆるときも、正しい技術を使い、それを芸術として見せることが大切だと言います。

この言葉で思い出すのは、ピカソの絵ですね。

ピカソは、一見すると落書きのように描きますが、その絵は美しい写実的な絵を描けるという「徹底された基礎」が根底にある芸術性です。

また、日本の有名な〈名言〉に「型があるから型破り、型がなければ形無し」という言葉もあります。

 

 

③パンやシリアルでは力が出ない。ご飯を食べるようにしている

羽生結弦選手は、国際舞台で闘ってきた経験からも、「日本人」ということを強く意識しているようです。

会見で、「勝負飯は何か」と尋ねられ、「日本人としては寿司と答えたいが、生ものは避けたいので、ご飯を食べるようにしている。パンやシリアルでは力が出ない」という風に語っていました。

 

 

④僕は政府の人間ではないのでコメントは難しいが、一緒にスケートをやっている仲間であることは確かなこと、彼らがオリンピックに出れてよかったと思う

北朝鮮の選手について聞かれ、羽生選手は、「北朝鮮の選手は一生懸命練習し、技術力も持っていた」と語っていました。

また、「日本に招待して一緒に滑るということなどを検討することは可能か」という答えるのが大変難しい質問に対し、羽生選手は「政府の人間ではないのでコメントは難しいが」と絶妙な前置きをしていたのは印象的でした。

 

 

日本記者クラブ会見(動画)

⑤できるときにできることを精一杯やる。できないときはそれなりのできることをやる。

怪我で演技ができない期間に、羽生選手は、色々な論文を読んだり過去の映像を見たりイメージトレーニングをしていたと言います。

人生には、どうしても「できるとき」と「できないとき」とがあり、「できるときはできることを精一杯やる。できないときはそれなりにできることをやる」ことが大事だと感じた日々だったそうです。

 

⑥自分が生きていく中で、一つとして影響を受けなかったものはない。

影響を受けた選手やものについて聞かれた際に、「少し壮大な話になってしまいますが」と断った上で羽生選手が答えたのが、「自分が生きていく中で、一つとして影響を受けなかったものはない」という言葉でした。

今まで数多くの人々に影響を受け、今の自分がある。その自分の発する言葉が、また誰かに影響を与え、ちょっとでもいい方向に向かったら、それは幸せなことだなと思う、という風に羽生選手は言います。

 

 

⑦夢はいっぱいあっていい

羽生選手は、「夢が叶った」と言っても、金メダルをとる夢だけが叶ったのであって、この夢を叶えるために他にたくさんの夢を諦めてきたと語ります。

でも、だからこそ、夢はいっぱいあっていい。適性もある。高い目標だけじゃなく、低い目標だって夢と言える。

これから、いろんな子どもたちが夢を持ちながらいろんなことにやっていって、少しでもなにかその夢が叶う瞬間を作ってあげられるような、その叶う瞬間になるきっかけのような言葉を出せたらなと、今、あらためて思いました。

出典 : 羽生結弦選手 日本記者クラブにて記者会見

 

 

⑧自分自身を貫くことによって、後悔は絶対しない。

会見の最後に、羽生結弦選手からのメッセージという形で紹介されたのが、「自分自身を貫くことによって、後悔は絶対しない」でした。

自分を貫いていると何かしら言われることがたくさんあると思いますし、もちろん家族に心配されたり、逆に家族に文句を言われたりとか。本当に信じている人に裏切られたりするかもしれません。ただ、そうやって自分自身を貫くことによって、後悔は絶対しないと思います。

出典 : 羽生結弦選手 日本記者クラブにて記者会見

 

 

会見を見た感想

羽生選手の会見は初めてじっくりと見たんですが、目つきに〈狂気〉が宿っている、というのが正直な感想でした。

羽生選手本人も語っていましたが、自分はふわふわしているように思われるが、氷の上に立つと人間が変わる、と。

随所に「絶対に負けない」という強い意志を感じさせる言葉も多くありました。

きっと、内側にふつふつと湧き立つような激しい狂気を秘めているからこそ、演技の美しさが際立つのでしょう。

外国特派員協会の会見の冒頭で、司会の方が、次のように羽生選手の演技を表して会見が始まりました。その言葉を最後に紹介したいと思います。

 

近年メディアでは「フェイクニュース」などが問題になっていますが、羽生結弦選手の演技を見ていると、本当の意味での「真実」を見ている気持ちになります。

 

以上、羽生結弦選手の〈名言〉まとめでした。

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2018-03-02 | Posted in 言葉と違和感