なぜインフルエンザ治療薬「タミフル」で異常行動が生じるのか、原因について考える | コップのお話 〜体と心と自然の物語〜
 

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なぜインフルエンザ治療薬「タミフル」で異常行動が生じるのか、原因について考える

 
Glass Story

タミフル、10代での使用再開

服用後、飛び降りや事故などの異常行動が問題視されていたインフルエンザ薬のタミフル。

こうした異常行動に対する対策として、厚労省は2007年からタミフルの10代への使用を禁止してきました。

しかし、タミフルだけが異常行動を引き起こすのではなく、別のインフルエンザ治療薬を使っても、薬を使わない場合でも異常行動が見られたので、タミフルだけが原因ではない、と結論。

研究班が10代の異常行動を分析すると、09~16年の100万処方当たりの報告数は、タミフルを使った患者は6・5件。別のインフル治療薬でもリレンザ4・8件、ラピアクタ36・5件、イナビル3・7件。薬を使わない患者でも確認されている。研究班は「薬の服用の有無、種類に関わらず、インフルエンザ罹患(りかん)時には異常行動を起こす可能性がある」とした。

出典 : タミフル、10代もOKに 異常行動との関連認められず

その結果、10代に対するタミフルの使用を再開させることが決まりました。

 

 

気になる点

僕が、この「タミフル再開」のニュースで気になる点は二つです。

まず、「薬を使わない場合でもインフルエンザで異常行動を起こす」と言うのであれば、そもそも「異常行動」ではなく、これまでも普通に起きてきたことではなかったのか、ということ。

薬が原因でないのであれば、インフルエンザの症状の一つに「異常行動」がある、ということです。

それなら以前から、あるいは海外でもインフルエンザの異常行動の事例が上がり、教科書などにも載っているのではないでしょうか。

世界保健機構などでも、そうした指針を出すのではないでしょうか。

もう一点、気になるのは、「他の薬でも異常行動が出るから、タミフルだけが原因とは限らない。だから、再開する」という論理展開です。

他の薬でも異常行動が見られるなら、そもそもインフルエンザ薬全般に問題がある可能性はあるのではないでしょうか。

あるいはインフルエンザ治療全般、と言ってもいいかもしれません。

 

 

インフルエンザの海外での治療法

それでは、海外では、どういった治療をしているのでしょうか。

実は、タミフルの使用量世界一は日本です。ダントツの一位です。

世界の使用量の75%を日本が占めています(20%がアメリカです)。この数字は10代の使用が原則禁止となる前なので、一時的に少し減少したかもしれませんが、世界一位は揺るがないでしょう。

海外では、タミフルを使用しないでどのように治療をするのか。

基本、インフルエンザ薬は使いません。そもそも検査もしません。インフルエンザは風邪と一緒で、自然治癒するものだからです。

世界標準の治療指針では、入院が必要なほどの重症でなければ、リスクのない65才未満の成人には、検査も治療も必要ないと言われています。

「検査も治療も必要ない」と言うと少しビックリされるかもしれませんが、インフルエンザとはいえ、風邪と同じウイルスによる病気です。放っておいても自然に治る病気(Self Limited Disease)であり、必ず自分の体力で治ってしまう病気なのです。

ゆえに治療方針は、食事や水分を摂って休養を取ることです。ですから、検査をしてインフルエンザの診断がついたところでこの治療方針には変更がありません。だから「検査も必要ない」となるわけです。

出典 : インフル発症対応、世界標準は「検査も治療も必要ない」|週刊ダイアモンド

とても合理的だと思います。

 

一体なぜ日本だけがこれほどタミフルの使用量が高いのでしょうか。

タミフルだけでなく、全般的に薬の使用量が高くなり、製薬会社にとってはある意味「いいお客さん」でもあります。

実際、タミフルや抗がん剤を製造する製薬会社ロシュ社は驚異的に業績を伸ばしています。

インフルエンザの治療薬「タミフル」で世界中に知られるスイスの製薬会社、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社。同社はここ数年間で、じつに驚異的な発展を遂げた。5年前には900億ドル(約9兆円)にすぎなかった時価総額は、いまでは2200億ドルに上る。

出典 : 「タミフル」も開発! 製薬会社ロシュの快進撃は止まらない

その要因として、日本の国民皆保険による薬への金銭的・心理的抵抗感の少なさが、製薬会社にとっては大きなビジネスチャンスとなっているのかもしれません。

ニューヨーク医科大学助教授(内科)のランディ・ゴールドバーグ氏は、次のように語っています。

日本では抗生物質など、風邪には効かないことが科学的にわかっている薬をいまだに出す医者がいます。アメリカでは考えられないことです。

インフルエンザについても、日本ではよくタミフルが処方されているようですが、よほど高齢で体力がない患者でない限り、アメリカではタイレノールという鎮痛剤くらいしか処方されません。また、日本で多用されているロキソニンもアメリカではリスクの高い薬として認識されています。

『なにも飲まずに寝ていたら治ります』といわれても日本の患者は納得しないそうですね。保険で安く薬がもらえるので、なにか『お土産』がほしいのでしょう。しかし、そのお土産には副作用も含まれていることを日本人は忘れているようです。

出典 : 日本では人気だけど、外国の医者は絶対に出さない薬〜なぜこれほど「コスト意識」が違うのか

何か一つの方向がいったん正しいと思うと流れに抗えない国民性も関係しているのかもしれません。

薬はほとんど意味がない、と言われると抵抗感を抱くひとも多いのではないでしょうか。

 

 

なぜ? タミフルの異常行動の原因

最後に、もしタミフルやその他のインフルエンザ薬によって異常行動が生じるとして、その原因について、あくまで個人的な考えを紹介したいと思います。

一つ考えられるのは、アレルギー体質や化学物質過敏症です。

たとえばリレンザやイナビルは、喘息や牛乳アレルギーを持っている場合にアナフィラキシーショックの危険性があると言われています。

また、化学物質過敏症で敏感な体質の場合、食品添加物などでも体は反応することがあります。

強い薬を使用すれば、日常生活ではほとんど影響がなかったものの、一気に症状が溢れるということもありうるでしょう。

 

また、もう一つ考えられるのは、体の抵抗力との衝突です。

たとえば熱が上がるのは細菌と体が闘っている証拠、嘔吐もまた体内から吐き出す治癒機能の一種です。

その熱や嘔吐を止めようとして薬を使えば、体はパニックになるでしょう。

僕は、以前、体の痛みで眠れなかったとき、睡眠薬を処方されたことがありました。

最初、夜長く効くと言われる薬を処方されたのですが、短く何度も目が覚めると相談すると、それならこっちは短く効くものだと言って重ねて処方されました。

体は起きようとするのですが、それを薬で抑え込むようにした結果、ショック症状のような状態になりました。

夢遊病のように無意識に電話をし、気づくと「狂った、狂った」と笑っていました。そして激しい頭痛に襲われ、手の震えは数週間止まりませんでした。

これもある種、「異常行動」でしょう。

こうした薬と体の反応との衝突が、パニックを起こさせるのではないか、と僕は思います。

 

治療については、自身の体質なども考慮しながら、慎重に検討するようにしましょう。

以上、インフルエンザとタミフルの異常行動についてでした。

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2018-05-17 | Posted in からだと自然