からだと自然
記憶の箱 − アルツハイマー病の最新研究と、「忘れる」と「思い出せない」の違い

Glass Story
アルツハイマー病の最新の研究
アルツハイマー病は、記憶自体が失われる、つまり「忘れる」というわけではなく、「思い出せない」だけの可能性がある、ということが最新の研究実験で分かった。
この実験では、正常なマウスとアルツハイマー病のマウスを飼育箱に入れて、それぞれに電流を流し、不快な体験として記憶させる。
その後、箱からマウスを出し、24時間してから再び箱に戻す。
そのとき、正常なマウスは、その不快な記憶を思い出して怯えるのだが、アルツハイマー病のマウスは変化を見せなかった。
そこで、記憶を司っている脳細胞を刺激すると、アルツハイマー病のマウスも同じように怯えるようになった。
研究チームは「アルツハイマー病は、記憶が消えるのではなく、記憶を思い出す機能が働かなくなる病気であることを示唆する結果だ」と説明している。
記憶が消えるのではなく、記憶を思い出す機能が働かなくなる、というのはとても重要な指摘だ。
「忘れる」と「思い出せない」の感覚の違い
この「消える」のではなく「思い出す機能が働かなくなる」というのは、感覚的に正しいことではないかと僕も思う。
僕自身はアルツハイマー病ではないが、記憶が曖昧になる(記憶はそもそも曖昧なものだが)ことが多い。
記憶に残っている風景や声、あるいは「確かにあったのだ」という実感が、深く立ちこめた霧の向こう側にあるように思えることがある。
ただ、これはそもそも覚えていることに関する話に限っている。忘れてしまったことは、忘れているので風景に目を凝らすこともできない。
すっかり霧に覆われて、存在自体に気づけない(ただ、そのときでも、この向こうに何かがあったんじゃないか、と思うことはある)。
こうした感覚を、もう少し分かりやすく身近なことで描写すると、たとえば、僕たちの頭のなかには記憶のつまった箱がある、と仮定する。
そして、「思い出す」というのは、この箱に手を突っ込んで記憶を取りだす作業と似ている。
記憶がしっかりしているときは、隅々まで自由に手を伸ばして箱の中身(記憶)をつかむことができるのだ。
一方、「忘れる」ときの感覚と言うと、そのように腕を自由に伸ばし、指先のセンサーを敏感に張り巡らせてもどこにも見つからない、中身がなくなってしまった、というのではなく、その箱から取りだす腕が縮こまって届かない、という感覚に近い。
これが、僕にとって「忘れる」と「思い出せない」の違いである。そして、これは先のアルツハイマー病の最新の研究報告にある、「記憶が消えるのではなく、記憶を思い出す機能が働かなくなる」と重なる。
「忘れる」の正体
たぶん、忘れてはいないのだ。箱から記憶が失われてしまったわけではないのだ。
ちゃんとそこにあるのだ。
ただ、取り出そうとする腕が縮こまって「届かない」のである。
要するに、「記憶が消えるのではなく、記憶を思い出す機能が働かなくなる」ということなのだろう。
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