からだと自然
北欧スウェーデンの電磁波過敏症患者の日常の生活

Glass Story
北欧スウェーデンと電磁波過敏症
北欧の地スウェーデンでは、「電磁波過敏症 electromagnetic hypersensitivity」は障害の一つとして公的に認められています。そのため、障害の認定を受けると、公的な援助を受けることも可能です(日本の場合、障害年金など援助の対象となるのは化学物質過敏症のみです)。
スウェーデンの首都ストックホルムでは、電磁波過敏症の患者が電磁波に被曝するリスクを減らすために、電磁波の発生源を地図上に記したり、電磁波対策が必要な場合は補助金が出ることもあります。
ストックホルム市の担当者によれば、2006年当時のスウェーデン国内には2、30万人の電磁波過敏症の患者がいて、そのうち250人ほどは森のなかで日常生活を送っていると言います。
しかし、こうした福祉の充実や電磁波過敏症の理解が進んでいる北欧スウェーデンでも、財政が悪化するにつれて審査は厳しくなっていき、今では生活が保障されるケースも稀になってきているそうです。
ある過敏症患者は、「ほとんどの国民がリスクを知らず、報道するメディアも存在を認める医師も少ない」と嘆きます。
公的に建設された〈避難所〉のような空間もなく、そのため患者自身が、人里離れた土地に、プライベートで電磁波からの〈避難所〉を準備する必要があるのです。
電磁波過敏症患者の日常
スウェーデンには、ノンフィクションライターの古庄さんがインタビューをした、〈古い家〉と呼ばれる一軒の電磁波過敏症患者が集まる集合住宅があります。
この〈古い家〉は、ストックホルムから車で北西に5時間のレスジョフォルス(Lesjöfors)という地に建っている築100年の赤い家で、入り口には「携帯電話禁止」の看板が立っています。
ここでは、古庄さんの著作を参考に、そのレスジョフォルスの〈古い家〉で、電磁波過敏症を抱えながらも生きることを模索する患者たちの日常生活を紹介したいと思います。
この〈古い家〉の家主はかつて核融合の研究を行う科学者だったヨーランさん。彼は、将来アパート経営でもしようと、当初この家を購入していました。
しかし、職場環境の影響から電磁波過敏症を発症し、このレスジョフォルスの家に移り住むことを決めました。今は自分で家を補修しながら、ツテを頼りに集まってきた数人に貸しています。
暖房は、地下室で木片を固めたペレットを燃やし、その熱をパイプを通して配分します。冷蔵庫はまとめて地下室に置いている。
電磁波過敏症と一口に言っても各々で重症度の度合いも違うので、ヨーランさんは食事も用意せず、あくまで「貸すだけ」に徹しています。
その〈古い家〉の借り主の一人、エセルさんはかつて政治家でした。
電磁波過敏の発症のきっかけは、夫の買ってきたパソコン。それからあっという間に症状は悪化し、逃れるように避難所である〈古い家〉に辿り着きました。
エセルさんと32年間連れ添った夫は、電気も、テレビも、ラジオもない生活には耐えられないと言って離れていきました。
彼女の日常は、孤独と耐え難い症状のはざまで引き裂かれるような葛藤が続きます。
彼女の「古い家」での日課は、家の周辺の森などを、二頭の愛犬と一日二回、歩き回ることだ。ときどき、「人を見に」、町のほうまで出かける。
電磁波スモッグの濃い町に行くと、血圧が高くなり、からだ中が痛み、目がキリで刺されたように痛むなど、さまざまな症状が出る。
それがわかっていても、ときには「人」を見ないではいられない。
『見えない汚染「電磁波」から身を守る』古庄弘枝著
今やエセルさんは、夫が猫と暮らしている想い出の詰まった実家に30秒と立っていることができないと言います。
もう一人の借り主、美術館で働いていたカリンさんは、パソコンを使用するようになってから徐々に体に違和感を感じるようになっていきました。そして、自分の使っていた香水をきっかけに化学物質過敏症を発症し、その後、電磁波過敏症も併発していきました。
カリンさんにとっての唯一の灯りはローソクです。部屋には金網で覆われた空間があり、そのなかに読みかけの本とローソクの台が置いてある。
彼女の行動範囲は〈古い家〉の周辺だけで、食材は宅配を利用し、一人で自炊をします。娯楽施設などに自由に出歩くことはできず、家族や友人とも離れて暮らしています。
この孤独な日々を、彼女は「美しき監獄」と表現します。
美しき監獄。彼女たちは、追いやられると同時に、閉じ込められてもいるのです。
電磁波過敏症は、文明社会に暮らす人々の価値観を揺るがす疾患なので、誰もが目を背けたいものでもあります。しかし、それゆえに次第に症状に苦しむひとは増加していくことでしょう。
少しずつでも、その存在の認知が広がっていくことを願っています。
携帯電話 隠された真実 ―米国屈指の医学者が警告する、携帯電話の人体影響 / デヴラ・デイヴィス
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