文学と芸術
表現者の道 − 良い文章を書くためのシンプルな方法

Glass Story
現代社会は、メールやブログ、SNSなどが普及したため、文章を「読む」というよりも「書く」ことの意識が格段に上がりました。
そして、その意識の向上と比例するように、「書く」ということが発端となったトラブルや悩みも増えたのではないでしょうか。
たとえば、自分の考えていることや、相手に寄り添う想いが正確に言語化できない。あるいは些細なニュアンスによって傷つけたり喧嘩になる。
こうした悩みは、僕自身尽きません。
むしろ〈言葉〉というものに備わった宿命的な課題である、と言ってもいいかもしれません。
そこで、今回は、僕が言葉の悩みと向き合ってきた過程で個人的に考える、良い文章を書くための方法を紹介したいと思います。
先に結論から言うと、それは、「良い文章をたくさん読むこと」です。
結局、これが一番シンプルで、一番効果のある方法だと僕は思います。
でも、ただ良い文章をたくさん読みなさいと言うだけでは味気がないので、その理由について順を追って説明したいと思います。
まず、感受性という言葉があります。
あの子は感受性が強いからね、と賞賛とも揶揄とも受け取れるような形で使われる、使い古された、分かるような分からないような表現。
一体、感受性とは何か。
簡単に言うと、感受性とは、違和感を察知する能力のことです。
ちょっと変だ、なんだか嫌だ、といった言語化できない違和感を察知するセンサーのことを、感受性と言います(「生理的に無理!」と女性が言うように、一般的に感受性は女性のほうが敏感です)。
文章を書くときに重要なのは(と同時に面白いのは)、書き直し、すなわち推敲という作業です。
この推敲の際に、感受性、言語化できない違和感を察知するセンサーというのが重要になってきます。
自分の書いた文章を読んでみる。
このとき他の違和感や雑音をなるべく排除した、リラックスした環境を用意することが大切です。たとえば、頭が空っぽになるのを待つ(「いったん寝かせる」)、印刷して紙にする、静かな公園で読む、といった風に。
そして、そのときそこで良い文章を読んできた体感記憶が蓄積されていると、ちょっと変だ、なんだか嫌だ、といった感受性が働くのです。
これは頭ではなく、身体的な感覚と言えるでしょう。
頭で考えるのは、このあとのことです。
ちょっと変だ、なんだか嫌だ、この辺が嫌なのかもしれないと嗅ぎつけたあと、「なぜ」「どうすれば」と考える。
手探りで書き直してみる。違和感が広がることもあれば、ゆっくりと心地よさに向かっていくこともある。
このことは、「食」で喩えることができます。
よく、味覚というのは三歳頃までに土台が形成されるため、せめて三歳までは「自然のもの」を与えるように、と言います。
その時期に、しっかりと味の「故郷」を確立することができれば、たとえ年齢や環境の変化とともに食が乱れたとしても、違和感を体が感じることができるので、「おふくろの味」に帰ってくることができる。
また、しばらく化学調味料のような人工的な処理のほどこされた食材を遠ざけた生活を送ると、次第に、絶え間のない刺激で麻痺した感受性が回復し、自然本来の舌や鼻が違和感を察知できるようになります。
ただ、その違和感を察知したあと、どこがおかしいのか見分けて自分でつくるとなると、「書く」ことと違って習慣になっていない場合も多く、技術や慣れが必要になってくるでしょう。
話をまとめると、これまで説明した「書く」と「食」、この二つに共通すること、それは「心地よい」状態を体感的に知っている、ということです。
この「心地よい」というのは、「快楽」とは違います。
快楽というのは、「不自然」に脳内物質が乱高下する状態です。一方、心地よさは、「自然」な状態であり、その極地が「無」や「悟り」といった状態と言えるでしょう。
良い文章を読むということは、言葉によって想起される心地よさを体験的に知る、ということでもあるのです。
*必ずしも心地よさはポジティブな気分だけでなく、悲しみや狂気も含んだ心地よさです。悲しみを、しっかりと悲しむ。
もちろん、自分のつくったものに対する違和感と、知識や技術の足りなさとのはざまで葛藤や身悶えの日々が続くと思います。
まるで確かに痒いのに痒さの発生源が見つけられないときの苛立ちやもどかしさのように。
たぶん、これは一生終わることのない道なのでしょう。
ただ、もし、その耐え難い懲罰のような道にほんの少しでも喜びを見いだすことができるのなら、踏みしめる地面の存在に感謝の想いを抱けるようなら、勲章など必要ありません。
それだけでじゅうぶん立派な〈表現者〉だと、僕は思います。
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