からだと自然
語源で探る、本来の意味 − 「もったいない」と「意地汚い」の違いとは

Glass Story
環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞したケニア人女性ワンガリ・マータイさんは、2005年の訪日の際に、日本語の「もったいない」という言葉に感銘を受けたと言います。
以来、国際的な環境保護キャンペーンのキャッチフレーズとして、「MOTTAINAI」が使われるようになりました。
この「もったいない」精神は、確かに自然との共存を計る意味で大切な心持ちです。
でも、その崇高な精神を表した言葉も、ひとたび方向性を間違えると、反対に自然を破壊していくための原動力になりかねないので注意が必要です。
まず、「もったいない」の意味を語源から探ってみると、そもそも「もったい=勿体」とは仏教の言葉で、世界は各々単独で成り立っているのではなく繋がって存在している、という状態を差すのだと言います。
そして、その尊い一つ一つのものを粗末にし、万物の繋がりを疎かにすることを、「勿体」を無くした、「勿体無し」と表すのだそうです。
「もったい」というのは、世の中の事々物々すべては、みな互いにもちつもたれつの関係でこそあれ、それ自身単独でわが本体とすべき存在ではない、という仏教の基本的な考えを示すもので、「体なし」すなわち「勿体」という漢字をあてるのである。
逆にいえば「勿体」は事物のすべてが互いに多くの縁でつながっている状態を示し、「勿体ない」はその一端をつぶし汚す結果を招くところから出たわけである。
いわば「おかげ」を無視して万物のいのちを無駄にする心が「もったいない」に通じるのである。
要するに、「もったいない」の精神の根底には、自然界、天の恵みに対する感謝の心、「いただきます」の精神が不可欠であると言えるでしょう。
たとえば、一つの部屋を埋め尽くすように衣類を溜め込んでいる女性がいます。
彼女は、空間が「もったいない」と言って服やスカートを詰め込み、捨てるのが「もったいない」と言って溜め込んでいく。そして、室内が衣類で満たされていく。
でも、これは本来の意味の「もったいない」とは言えません。
なぜなら、その根っこにあるのは、自然界に対する感謝の心ではなく、自分自身の欲望だからです。
もう一つ、「開発」というのも厄介な矛盾を孕んでいます。
せっかく手付かずの土地、空いた空間があるのだから、「開発」しないと「もったいない」と、コンクリートで埋め立てて公共施設やビル群を次々に建てていく。
しかし、手付かずの土地とは、まさに「勿体」の状態です。
この「勿体」を奪い去る行為を、「もったいない」と言って推し進める。
あるいは、余白という余白を全て広告で埋める、というのもそうですね。「もったいない」から空いた空間を人工的に埋める、利用する。
でも、日本人は昔から、芸術や信仰、コミュニケーションに際して、この余白や余韻という「空白」を大切にしてきました。
それは、その空白に自然や神が宿っている、そこが「勿体」である、ということを感じ取っていたからでしょう。
四隅の柱が、注連縄(しめなわ)で連結されたことで、内側に「何もない空間」が囲われてできる。何もない空間であるから、ここには何かが入るかもしれないという可能性が生まれる。
この「かもしれない」という可能性こそ重要であり、その潜在性に対して手を合わせるという意識の動きが神道の信仰心である。
闇雲に空白を埋める、空腹に搔き込む、空室に詰め込むといった行為は、決して「もったいない」とは言えません。
空白に対する感受性と自然に対する感謝の心の失われた「もったいない MOTTAINAI」は、まったく真逆の「意地汚い IJIKITANAI」なのです。
日本の皆さん、こんにちは。
「もったいない」は、ご存知のように、リデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再生利用)を意味する言葉です。
同時に、これは日本を訪問したときに学んだとても大切な意味ですが、リスペクト(尊敬)とグラティチュード(感謝)という意味もあります。
もちろん、この「もったいない」と「意地汚い」は、人間なら誰の精神にも共存しているものでしょう。「意地汚い」に振り回されることもあると思います。
人間は、とても弱い生き物だから。
ただ、だからこそ、せめて「意地汚い」に「もったいない」の仮面を被せて、「偽装」することだけは避けたいものですね。
暴走の、最後のブレーキになるように。
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