社会とビジネス
夢うつつな世界

Glass Story
夢うつつな世界
世界がゆっくりと遠ざかっていく。現実感が薄く、頻繁に夢うつつのような感覚になる。
無意識のうちに体はこわばり、情報の通過する「トンネル」が狭まっていくゆえに、わずかな刺激で過剰な動揺を示す。
この神経過敏となったアンテナは、「外部世界」に向くこともあれば、「内部世界」に入り込んでいくこともある。
外部の場合は、たとえば他人の言動、ちょっとした汚れ、窓の外の騒音を鋭敏にキャッチする。「世界が遠のく」と書いたが、遠のきつつ、しかし同時に、一つの刺激で、それが世界全体となる。
おぼろげな意識に飛び込んできた刺激は、たちまち彼、彼女の生存をおびやかす、恐怖の全体であり根となる。そして、過剰なほどにその言動、汚れ、騒音を消滅させようとする。
内部の場合は、「記憶」に由来する。「あのときのことが、どうしても許せない」と蘇ってくる。
その「たった一度」が、その瞬間の、彼、彼女の認識世界では彼らを苦しめる唯一の根元となる。
そして、それはぐるぐると脳内をめぐり、体内でうごめき、そのことを周囲から否定されると、「みんな私の敵なんだ」「誰も私のことなんかわかってくれない」と自暴自棄になる。
あるいは、この「記憶」の傷を、外部の象徴的なものに移し換える作用が働くこともある。
二次元の世界で仲間はずれにされた男が、彼の傷とは直接的に関係のない「オタクの聖地」に車で突っ込んでいったように。
どちらにしても、客観的な視点が失われ、狭く、息苦しい夢うつつな主観世界のみが残る。
増殖する狂気
もちろん、こうした感覚は、別に今になって突然現れたものではなく昔からあった。
詩人の陥る神経衰弱や、夏目漱石の小説に出てくるような論理を超越した「狂った女」を見るとそれがよくわかる。
しかし、今は、いっそう病的に、かつこれが「増加している」。誰の内面にも膨れ上がっているので、「増殖している」と言った方がいいかもしれない。
互いに互いのシグナルを鋭敏に感じ取って、「お前は敵か?」と睨み合う。
こうして少しでも怪しいと思われた人間は避けられ、さらに孤独と「症状」は深まっていく。
そして、孤独の渦巻く部屋で憎悪はやがて破裂し、突発的な事件は起こる。「被害」をこうむる側もますます過敏になって、「奴らは狂ってる」「奴らこそが悪の根元だ」となる。監視カメラに溢れ、法律に溢れ、壁を高くする。
壁の外の吹き溜まりで「症状」が互いに殺し合う。
しかし、身近な誰かや自分自身に矛先を向けることもあれば、オウム真理教のように集団化し、象徴となっている壁の「内側」を狙うこともある。
さようなら、「美しい国」
神経過敏と狂気と、「精神病患者」の増加。
医療費は膨大につのり、見捨てられた狂気で街と刑務所は溢れる。
ますます人間同士の距離は離れ、監視カメラと法律に溢れ、「救いの手」を伸ばすカルト集団と薬物依存がはびこる。
こうなれば、「彼らは劣った遺伝子なので、次々と処刑していくのが合理的なのではないか」と、夢うつつで神経過敏となった「真っ当な壁の内側の住人」が考えるまで、あと一歩である。
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