からだと自然
海外に「イヤイヤ期」はない? チベットから学ぶ対処法

Glass Story
「イヤイヤ期」から「ブラブラ期」へ
二、三歳になると訪れ、周囲を辟易させる「イヤイヤ期」。
受け身だった赤ん坊に自我が芽生え、自分でやりたがったり、拒否の言葉を覚えることで「イヤ」と抵抗するようになる、第一次反抗期です。
この「イヤイヤ期」というネガティブな名称を、「ブラブラ期」に変えませんか、と提案するのが、教育心理学が専門の北海道大の川田学准教授です。
川田氏によれば、心理学や保育現場では、この時期は一般的に「第一次反抗期」と呼ばれていますが、90年代頃から育児雑誌などで「イヤイヤ期」という言葉も使われるようになったそうです。
川田さんは、自身の育児体験も経て、この「イヤイヤ期」という言葉に、子育てのネガティブな側面にばかり光が当たっている印象を受け、別の言葉はないか、と考えました。
そして、チベットの留学生に「第一次反抗期」について説明したときの、彼女の言葉をヒントに「ブラブラ期」という言葉を思いつきました。
ブラブラ期という言葉は、チベットの留学生の話から着想を得ました。彼女に「第一次反抗期」について説明しても、「そういう子どもの姿は見たことがない」と言って腑に落ちないようでした。
彼女の実家がある村では、乳児は親と一緒に畑や街の仕事場に行く。4、5歳になると、農耕や牧畜を手伝うこともある。「では2、3歳は?」と聞くと、笑いながら「ブラブラしています」と答えました。私は、2歳児の躍動的な姿とこの自由な語感が、ぴたっと合うように感じました。
この留学生曰く、チベットの村にはイヤイヤ期はないと言います。いわゆる「第一次反抗期」には、「ブラブラしている」と。
それでは、海外はどこでも「イヤイヤ期」がないのでしょうか。
欧米では、「ネガティビズム」「テリブル・トゥー(魔の2歳児)」といったマイナスの表現がされるようです。
一方で、南米を主なフィールドにした心理学者のバーバラ・ロゴフ氏は「世界中のほとんどの国では、2歳児についてマイナスの形容をしていない」と記しているそうです。
一体なぜこうした違いが生まれるのでしょうか。
チベットの留学生のエピソードをもとに考えると、その年齢の子供というのは元来「ブラブラ」したい、ということなのかもしれません。
自我が芽生える、というのは「言葉を覚える」ことや「自由に身動きできる」こととも関連します。
そして、その時期は「ブラブラ」したい。
でも、その「ブラブラ」が自由にできないストレスが、子供のなかに鬱積していく。
それが「イヤイヤ」に繋がっていく。
先進諸国は特に、子供を「ブラブラ」させることのできない環境が多くなります。それは言い換えれば、本来の自然な「2歳児」とは乖離した状態に子供を置いている、ということなのかもしれません。
2歳児とは、考えてから行動するのではなく、行動しながら考え、大きな目的ではなく、小さな楽しみをつなぎ合わせて過ごす人たちなのです。
例えば、散歩に行っても、すぐ「こんな所につくしんぼがある」と長い時間触って楽しんだ後、「アリがいる」と気づいて座り込んでじーっと見る。その最中に大人が早く目的地に行こうよと引っ張ると、泣いて嫌がるでしょう。好きなことを好きなだけやればいいと思います。
言葉一つかもしれませんが、「イヤイヤ期」を「ブラブラ期」にすることで、一つの対処法が見えてきます。
それは、子供がブラブラできる環境を整えてあげること。
親にとっても、あるいは社会や政治にとっても、この「二歳児がブラブラできる世界」をつくってあげる、という方向で進んでいく、というのが一つの大事な指針になるのではないでしょうか。
川田さんは言います。
何から始めればよいか。親も周囲の厳しい視線がなければ、ゆったりした心やまなざしの中で、もう少し自由にさせてあげたいはず。
私が提案するのは、まず、道を安全にブラブラさせてあげること。手始めに、子どもが道路や歩道に落書きする自由を保障してはどうでしょう。全ての子にろう石を配り、近所の道路にいっぱい絵を描けばいい。子どものころ、道端で描いていませんでしたか?
2歳児のブラブラを保障できる社会は、間違いなく他の年齢の人たちも生きやすい社会のはずです。
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