文学と芸術
漫画『原始さん』のあらすじと、水木しげるさんの自然観

Glass Story
水木しげる『原始さん』
漫画家・水木しげるさんには、1971年に発表した『原始さん』という短編漫画があります。
この漫画は、水木さんの文明に向けられた批判的な眼差しや自然環境に対する意識(自然観)がはっきりと描かれた作品となっています。
以下、この『原始さん』のあらすじを簡単に要約して解説したいと思います。
漫画『原始さん』のあらすじ
水木しげる原作『原始さん』の舞台は、当時から見た近未来(1985年)の東京。
高層ビルが建ち並び、大量の車が道路を走り、会社員が電車に詰め込まれる慌ただしい文明社会。そこに、突如として類人猿のような巨大な化け物が現れます。
化け物は、「はっはっはっ」と愉快そうに笑いながら、ビルを次々と叩き壊し、人々の生活を破壊しようとします。
日本政府は、ただちに自衛隊を投入して応戦を試みるのですが、全く歯が立ちません。
これほど強大な化け物の正体は、果たして「カミ」か「ヒト」か、と悩んだ末、政府はひとまず「さん」付けで「原始さん」と呼ぶことにし、「好意的静観」をすることに決めました。
原始さんは、毎年のように建物や舗装道路を壊していきます。
そして、壊しては、土を耕し、木を植え、虫を守り、鳥を育てていきました。
次第に、人々の生活も自然を取り戻していき、患っていた肩こりや胃痛のような慢性的な病も消えていきました。
原始さんのおかげですっかり自然と調和した暮らしをするようになった日本人のもとに、あるとき米国から要請が届きます。
その要請の中身とは、「文明の発達に耐えかねて、アメリカ人が集団ノイローゼになった」というものでした。
そして、ぜひ日本の原始さんをアメリカに派遣してくれ、とアメリカは懇願します。
原始さんは、この米国のSOSに応えて悠々と海を越えていきます。
大海原を、波音を立てながら威勢よく進んでいく原始さんの姿に、あるナレーションが添えられて物語は終わります。
昭和60年頃には、文明というやつが、人間にとって”そんなに”わずらわしくなっていたのだ。
アニメ版『原始さん』
ちなみに、この原始さんは、のちにアニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』でも妖怪として登場します。
アニメ版では、都心部で生じた光化学スモッグの問題の影響もあって、もう少し時代性と関係が深いものになっています。
また、日本の「偉い人たち」と原始さんが交渉するという話も途中に挿入されています。
交渉は、山の手線の内側は原始さんの住み良い世界にする代わりに、外側は文明社会を継続する、という形で一度はまとまります。
しかし、結局「偉い人たち」が原始さんを追い出そうとして攻撃を仕掛けます。
原始さんは、その態度に、ついには愛想を尽かし、海のなかにゆっくりと消えていくのでした。
俺が来るのは早すぎた。きっと、いつか人間は、自然を破壊してしまったことを、一人残らず後悔する。そのときになったら、また来よう。
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