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講演会や対談がおすすめの理由

Glass Story
講演会や対談がおすすめの理由
学生時代、好きな作家やクリエイターの講演会や対談を聞きにいくことがありました。
たとえば美術館では、展覧会が行われるたびにその画家に関連する専門家の講演会や対談が開かれますし、各大学でも、一般人や他学校の学生も参加できる講演会などが実施されるので、自校だけでなく別の大学のものにも参加することができます。
〈講演会などの情報〉
CINRA.NET「トーク」 www.cinra.net
早稲田大学イベント情報一覧 www.waseda.jp
僕は一つのジャンルや作家、芸術家などに興味を持つと、ひとまずぱらぱらと本などを読んで勉強します(参照「勉強を終える基準」)。
その後、もし行けるようなら講演会や対談に行きます。
本やネットで知識として知るのも大事ですが、こうして講演会などで直接話を聞くことによって知るのも、学ぶという点ではとてもおすすめな方法です。
その理由は、一言で言えば〈空気感〉にあります。
講演会では、作者の眼差しや声音、抑揚、身振り手振りなど、〈コンテンツ〉では分からない、より深く濃厚な〈メッセージ〉がたっぷり詰まっています。
たとえば、過去に印象的だった講演会はいくつかありますが、一例として、養老孟司さんの〈目〉はとても印象深く記憶に残っています。
目元は優しく穏やかなのですが、戦争を幼い頃に経験し、短い期間のあいだに先生や国の言っていることが真逆になった。その体験から、権力の言うことは根底では信用していない、と日頃からおっしゃっているように、その目つきには根深い不信の強さみたいなものが見えました。
また、その不信感も理由となって解剖学の世界に入ったので、常に〈死〉と向き合ってきた目でもあります。
その眼差しというのは、〈ビジュアル〉の問題ではなく〈空気感〉なのです。
それは写真や動画では削げ落ちてしまうもので、直接その場所に行かなければ感じ取ることのできない中心の部分なのです。
そういうわけで、気になった作者やクリエイター、映画監督、ミュージシャンの講演会や対談は、できるだけ参加してみることをおすすめします。
こうした〈空気感〉は、作者、著者が亡くなってしまったら、もう感じることはできません。中原中也や太宰治が歩き去って行くときの、かすかな風の揺らぎは、もう永遠に感じることはできないのです。
ちなみに、よく作者と作品は別だ、という意見がありますが、僕はそうは思いません。
確かにそれは「別の側面」かもしれませんが、まったく別ということはありません。
もし作品で美しい風景を描きながら、私生活が乱れていたとしても、それは悲しみや狂気の「別の側面」に過ぎないのです。
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