花粉症
化学物質過敏症 / リーキーガット(腸漏れ)症候群の解説と、断食による治療法
Glass Story
化学物質過敏症の原因? リーキーガット(腸漏れ)症候群とは
化学物質過敏症が増えている原因として、一つは①(人工的な)化学物質自体の増加が関係しています。
現代は、生活の目に見えない部分であらゆる化学物質に囲まれて生きていかなければいけません。
たとえひとつひとつは軽微でも、四方八方から小さな攻撃を受けているようなもので、感受性の豊かなひとほど体はパニックを起こします。
それはちょうどあちこちで色々なひとが話しかけ続けてくるようなものかもしれません。
もう一つの原因として考えられるのが、②リーキーガット症候群(「腸もれ症候群」とも言われる)です。
リーキーガット症候群とは、腸内環境の悪化によって微細な物質のみを通すはずの腸内の粘膜が荒れ、本来なら通さない物質まで通ってしまう状態を言います。
健康な腸の粘膜は、小さく分解された消化物質しか通しません。ところが、腸内環境が悪くなって腸壁が荒れると、腸粘膜の目が荒くなり、未消化の物質まで通してしまうのです。
これを「リーキーガット症候群」といいます。
リーキーガット症候群の状態を分かりやすいイラストで解説されたものを書籍『リーキーガット症候群』から紹介します。
荒れた腸壁の隙間から、健康な腸内環境では入ってこれないはずの物質まで入ってきて様々な悪さをするのです。
リーキーガット症候群に関連しているとされる症状は、以下の通り全身に及びます。
免疫力の低下、胸焼け、吐き気、腹痛や腹部膨満感、下痢、便秘、食欲低下、夜尿症、慢性の関節痛、筋肉痛、原因不明の熱、息切れ、抜け毛、もろい爪、皮膚疾患、記憶力の低下、集中力の低下、神経過敏、イライラ、不安感、モヤモヤ感、ぼうっとする、混乱、考えがまとまらない。
まだ賛否が分かれる段階のようですが、このリーキーガット症候群が、アレルギー症状や自律神経に関係する様々な原因不明の症状、また化学物質過敏症にも関連しているのではないかと言われています。
今後、この「リーキーガット症候群」は重要な疾患名となるでしょう。
参考 : 腸に穴があいて下痢になる人が増えている ギュルギュルッという腹痛の原因
少なくとも腸内環境がうつ病や不安感などの精神疾患、またアレルギーの発症と関わっていることはだいぶ有名になってきました。
化学物質過敏症(リーキーガット症候群)と断食
リーキーガット症候群の一つの症状(結果)として、化学物質過敏症が発症する、と推測ができます。
実際に、時代とともに大腸癌が増加したり、精神疾患やアレルギー症状も増加しています。そこには食生活の乱れや化学物質の増加も関連していると考えられます。
ちょっと話は逸れますが、体にいいものを腹八分目で食べていた時代の人々が長寿なのであって、体に悪そうなものをガンガン食べる、という食習慣になった戦後世代以降、さらに寿命が伸びるということはまずないと思います。
その辺は、誰もが病気を抱えている自分も含め周りの人たちを見れば実感できるのではないでしょうか。
さて、この化学物質過敏症の治療法としては、まず化学物質を避ける、というのが大事です。
これは自分でできる方法ですね。
次に、社会から化学物質を減らす、というのも、今度は社会でできる「治療法」です。
ただ、企業がコストカットの一つとして、たとえば食品添加物を多く使ったほうが安くコストを抑えられる、といった理由から結果として化学物質が溢れているので、この辺りは厳しく制限をすることが(大企業と結びついた)政治の力では難しいかもしれません。
そのため、逆転の発想で、自然栽培など実際に農薬や化学肥料を使っていない農作物や、無添加のオーガニック製品を購入して、体に優しい企業を応援する、というのも、積極的な「治療法」です。
消費(日々の生活スタイル)も世界を変える立派な一票です。
また、化学物質に対するアプローチとは別に、リーキーガット症候群の治療法としては、相当悪化した状態では、おそらく断食がいちばん効果的だと思います。
まだリーキーガットという名称はなかったものの、似たような状況でも断食で治療ができたという報告があったり、アレルギーが治ったという話も多くあります。
たぶん、その荒れた腸の壁が、断食によって自然治癒し、修復するのでしょう。
断食の方法などについては、多くの本が出版されているので参考にしましょう。専門の施設もあります。
断食療法の保険適用
今後、リーキーガット症候群(に由来するアレルギーや慢性疾患、化学物質過敏症)もますます増加していくでしょう。
その際、治療法としては、この断食を積極的に推進していくことが必ず必要とされるときが訪れます。
まだ断食療法には保険適用は叶いませんが、早急に保険適用についても考えるべきだと思います。
断食は半日や一日など短期間であれば割と気軽に家で行うことも可能ですが、数日から長期となると誘惑やストレスケアなども含め、専門の施設で行うことが望ましいとされています。
断食をする際は、なるべくパソコンやスマホなどからも離れ、空気のきれいな環境で、合間にのんびりと過ごしたり、ヨガやマッサージなどリラックスサービスも受けることで効果も高まりますし、空腹のストレス緩和にもなります(家で行うときもこの辺りを心がけましょう)。
日頃の喧噪やストレスが「食」に向かわせるので、やはり普段の生活のまま断食を行うのが難しい場合もあります。
こうした断食の総合施設はいくつもありますが、保険適用ではないので価格が高いのが難点です。
しかし、欧米では断食(ファスティング)は一般的にも普及し、ドイツやロシアなど保険適用で行ってくれる国もあります。
以下は、ドイツの断食に関する記事です。
ベルリンのシャリテ大学病院(Charite)では50年にわたり、医師たちの指導による断食療法プログラムを提供している。12~14日のプログラムの費用は、ブヒンガー・ウィルヘルミよりも安価に設定され、さらに少なくとも一部には医療保険が適用されるため、富裕層にとどまらず幅広い所得層の人々の手に届く存在となっている。
(中略)
現代の病気に対処するために作られた多くの新薬が、さまざま副作用のために市場から取り下げられていると指摘するミヒャールゼン氏は、「人は年を取れば取るほど、そういった病気になっていく。現在主流になっている医薬品が、将来もずっと有効だとされるとは限らない。だから10年後には、断食療法がもっと重要視されるようになると私は確信しているよ」と語った。
この記事を読むと、実際に断食(絶食療法)が様々な慢性疾患(ぜんそくや慢性消化器疾患、抑うつなど)に効果を発揮し、一部医療保険の適用対象でもあり、ドイツのあいだで浸透しつつあることが伺えます。
日本でも、特区など一部地域から始める形で断食の保険適用施設を開設したほうがよいでしょう。
断食は花粉症などにも効果があると言われ、実際に治ったという声は多数存在します。
治療実績を実証データとして残しながら、徐々に範囲を広げていき、都心に近い断食施設、海沿いの断食施設、山の断食施設など、それぞれの環境を活かした療養施設に気軽に通えるようになれば、慢性疾患やストレス性障害の改善にも繋がり、結果的に医療費は下がっていくでしょう。
食物アレルギーや花粉症はいつから問題に? 戦前の日本にはなかった?
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アレルギーはいつから問題に?
自分自身も含め、周囲に必ず一人や二人は食物アレルギーや花粉症、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を抱えたひとがいるのではないでしょうか。
花粉症だけでも、近年では日本人の人口の50%近くが罹患していると言われています。
こうしたアレルギー疾患に一度もかかったことがない、というひとは、もしかしたら特に若い世代にはほとんどいないのかもしれません。
なぜ、これほどの数の人々が花粉症や食物アレルギーなどのアレルギー疾患を患うようになったのでしょうか。
アレルギーは遺伝が原因という声もありますが、両親や祖父母はアレルギーを抱えているでしょうか。昔から存在していたのでしょうか。
戦前の日本にはなかった、という声もありますが、それは本当でしょうか。
この記事では、アレルギー疾患が一体いつから問題になったか、ということについて解説したいと思います。
戦前は花粉症はなかった
まず、たとえば花粉症ですが、花粉症の原因(アレルゲン)としては「杉花粉」が挙げられます。
また、花粉症の「増加の原因」については、日本が戦後に行なった杉の植林事業によるものだ、という意見が一般的です。
しかし、戦前には花粉症はなかった、と医師の内田義之氏は語っています。
日本人は、杉花粉のなかで生きてきましたが、戦前は花粉症などはまずありませんでした。杉の香りはすごくいい香りだったわけです。杉でもって癒やされることはたくさんあったはずです。
僕の祖母も戦前の生まれですが、一度も花粉症にかかったことはありませんでしたし、周りにも花粉症のひとはいなかったと言います。
それは戦後の大量植林が起こる前の話で、近くに杉がなかったからでしょうか?
いいえ、祖母は、子供の頃から杉の木の周りで遊んでいたと言います。
杉花粉をいっぱいに浴びながら、花粉症にはならなかった。これは祖母だけに限った話ではないでしょう。
そもそも、杉の植林によって花粉の量が増えたということが花粉症増加の原因なら、他のアレルギー疾患の増加は説明できません。
食物アレルギーの代表的なアレルゲンである卵や小麦、甲殻類などの摂取量が、戦前と比較して特別増加したとは思えません。
それにも関わらず、食物アレルギー自体は増えている。
このアレルギー疾患全般の増加傾向について、先ほどの内田医師はやはり「戦後」であると語っています。
アレルギー疾患が急激に増えてきたのは、第2次世界大戦後です。気管支喘息は、戦前は人口の1%以下で、それほど多い病気ではありませんでした。ところが1980年代、90年代はWHO(世界保健機関)のデータで、日本でも5~10%ぐらい、米国で約10数%、オセアニアで約30%になっています。
そして、最近では、食物アレルギーがある子は10人に1人とも言われています。
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