政治と社会

SEALDsの今後とゆとり教育|長期的な視野に立った活動のための私的な提案

これはSEALDsとなんら関わりのない僕の、私的な願望と提案に過ぎません。

SEALDsという若いうねりが、一時的な熱狂ではなく、10年、30年と長期的な視野に立った大海に繋がっていくように、こんな形はどうだろうか、と思ったことをつらつらと書いてみたいと思います。

 

学生デモ団体SEALDsの理念の根底には、凝り固まったイデオロギーよりも、もっと緩やかな、「場」に対する信頼があると僕は思っている。

それは誰か指導者が、トップダウン的に具体的なことを指示するのではなく、SEALDsという「場」を通ることで微細な変化の風を吹かせるような、空間そのものを提供する。

また、立憲主義の下で、自由に議論したり考えたりすることによって、自ずから正しい方向に向かっていく、と考える。

そういう意味でも、「場」に対する信頼があるのだと僕は思う。
 

過去の学生運動は、イデオロギーのような誰かの作った言葉によって自縄自縛に陥り、身動きが取れなくなった。

そして、次第に先鋭化し、過激化し、孤立化を深めていった。そんな印象を持っている。

理念を具体的にすると、その具体性に縛られる。

僕は、彼らには、今後もそのSEALDs(Student Emergency Action for Liberal Democracy - s)という「場」を守っていってほしいと思う。
 

そのために、一つだけ提案をしたいと思う。

SEALDsのことは、学者やジャーナリスト、芸術家の人たちも数多く支援している。

その一人でもあるフランス現代思想が専門の内田樹さんは、平素から教育の市場化を批判している。
 

今、あらゆることを「市場化」しようという動きがある。

市場化すれば、マーケットが答えを出してくれる。それは「稼いだものが正しい」という世界である。

モンスターペアレントは、教育が市場になり、生徒が客になった証だ。また文系学部の廃止騒動も、金にならないというのがその理由である。

教育環境は、今後劣化していく。
 

そこで内田樹さんは、凱風館と呼ばれる合気道の道場を開き、同時に、その場所でゲストスピーカーなどを招く、私塾を実践している。

その理由について、インタビューで次のように語っている。

日本人のほとんどは日本列島から出られないし、子どもを海外の学校にやるほどの資力もない。

でも、人間を奴隷に作り上げるような教育は受けさせたくないと思っている。だとすれば、日本の若者たちのために日本人の大人が学校以外の教育機会を担保するしかないでしょう。

引用 : GQ グローバル時代の教育基本論

僕がSEALDsに提案したいのは、この「私塾」という空間である。

彼らの若いデザインセンスと、理念と、そこに協力する支援者たちが、知や体験、それこそ内田さんの言う「身銭」を切ることで、アクセスしやすい私的な教育機関を創設してほしいのだ。
 

北欧には、フォルケホイスコーレと呼ばれる全寮制の教育システムがあるそうだ。

これは民衆による民衆のための教育機関である。

期間は4ヶ月、半年、一年など学校によって異なり、年齢は17、5歳以上であれば誰でも参加できる。

そこではアート、デザイン、音楽、また伝統や現代社会の課題など、様々なコースがある。

フォルケホイスコーレは、デンマークの教育者で、神学者、歴史化でもあったグルントヴィによって19世紀頃に築かれたデンマークの学校制度です。

……プログラムは多岐に渡り、スポーツ、アート、音楽、デザイン、プロジェクトリーダーシップ、など伝統的なもの、趣味やスキルを磨くもの、現代社会の課題に取り組むものまであります。

引用 : ダイアモンドonline 人生を自分でコントロールする北欧の原点教育とは?

たとえば、こういったフォルケホイスコーレのような形や、日本で言うNHKカルチャーセンターのようなイメージで、もっと若者向けのものがあると参加者が増えるのではないかと思う。

フォルケホイスコーレ

イスラム国の人質事件があった。

デザインの感性を磨きたい。演技を経験してみたい。

伝統文化に興味がある。

そういうときに、専門家の授業やワークショップを、ふと受講できる、優しく、洗練された「場」があると、興味を持って足を踏み入れることができると思う。

ちょうどSEALDsがデモの「場」となっているように。
 

受験戦争のための塾ではなく、経済戦争のための大学でもない学び舎。

刺激や面白さ、ファッション性に優れた知の空間があると、もっとこの国の民主主義や資本主義が、厚みを持った成熟したものになっていくと僕は思う。

もちろん、10年、30年、100年と時間をかけて。
 
 

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2015-09-09 | Posted in 政治と社会